Acerの指輪型デバイス「Acer FreeSense Ring」は、サブスクなしで使えて毎日の健康管理が手軽 (2/2)

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年11月06日 12時00分

前へ 1 2 次へ

Acer Ringアプリで管理が可能

 運動データや生体データは「Acer Ring」アプリで管理できる。取得・管理できるデータは活動量(歩数・カロリー)、睡眠、心拍数、心拍変動、血中酸素飽和濃度、ストレス。活動計としてはジョギングやサイクリング、ヨガなど20種類以上のスポーツに対応している。スマートリングとしては性能は高いと言えるだろう。

 しかも、これらの全機能はサブスクなしで利用できる。アプリはiOSとAndroidに対応し、アプリストアからダウンロード可能だ。

 Acer Ringアプリの使用開始時には、Acerアカウントへのログインが必要となる。アカウント未取得時はインストール時に作成できる。登録時には身長や体重などの基本情報の入力も必要だ。

 Acer FreeSense Ring本体を充電しておけば、アプリを起動後に自動的に本体を見つけてペアリングする。スマートフォン側のBluetooth設定を操作する必要はなく、Acer Ringアプリだけの操作でよい。

Acer

Acer Ringアプリでログイン、ペアリング後にホーム画面となる

 ホーム画面では上から項目がカードとして順番に並ぶ。「アクティビティ(歩数、カロリー、活動時間)」、運動量などから計測された「体の状態」、1日の終わりにその日の気分や身体の状態を記録しておく「デイリータグ」「睡眠」「トレーニング記録」「心拍数」「血中酸素濃度」「HRV」、そして身体の状態から計測された「ストレス」と並ぶ。

Acer

アプリの画面。スクロールすると9つの項目が見える

 それぞれの項目の詳細を見る場合は、タイルをタップ。すると当日の記録を見ることができる。前日など以前の記録を見る場合は、画面中央より下部に1週間の曜日が並ぶのでタップすると、下の円グラフと数字で簡易的に表示される。

 指定した日の詳細を見たい場合は、画面右上の四角いアイコンをタップするとカレンダーのように一覧が出るので、目的の日をタップする。このあたりのUIはすぐ慣れるものの、もう少し直感的にしてほしいところ。

Acer

アクティビティのカードをタップして詳細なデータを表示。前のデータはカレンダー式に検索できる

 デイリータグは気分や食事、活動などを記録して残せる。タグは選択式だが自分で新しいタグも作ることができる。また、AIインサイト機能としてユーザーの日常データから健康カードとして個別のアドバイスを送ってくれる。このAIインサイトにも、デイリータグの記録が反映される。

Acer

デイリータグを日々残しておくとAIインサイトのベースデータにもなる

 画面最下段のアイコンは、左からホーム、身体の状態、睡眠、瞑想、管理と並ぶ。身体の状態では活動記録などを一覧で見ることができる。

Acer

身体の状態の画面

 睡眠画面では睡眠状態をかなり細かく確認可能だ。筆者は朝電車に乗って移動中に、この睡眠画面を見て昨晩の就寝状況を確認することが日課となった。そして瞑想では気分を落ち着けるサウンドとアドバイスプログラムが利用できる。

Acer

睡眠状態はかなり細かく確認可能だ

 管理画面ではバッテリー残量の表示、プロフィールなどの変更が可能だ。「カメラのジェスチャーコントロール」ではアプリ内でカメラが起動し、リングをはめている手のひらを左右に動かすことで写真撮影が可能だ。今回は使用しなかったが、Health Connectアプリとの連携もできる。

Acer

管理画面。手のひらジェスチャーで写真撮影が可能。Health Connect連携も可能

Acer

手を振ると3秒のセルフタイマーが起動。フロントカメラ切り替えもできる

バッテリーの持ちは良好、アプリの機能アップに期待

 実際に1ヵ月使ってみたが、指先に装着したまま24時間使い続けられるため、活動量計としてデータを撮りはぐれてしまうことがないのが大きなメリットだと感じた。スマートウォッチは手首に汗をかいたときに外してしまうことがあるが、スマートリングならサイズが合うほかの指に着け替えるだけでよい。

 バッテリーの持ちは約4日間とのことだが、筆者が使用していた時期は展示会で1日2万歩程度歩く日が続くこともあったが、5日間以上使うことができた。4日間は余裕で持つので安心して使えるだろう。

 一方で、バッテリー残量が少なくなった時の通知がなく、リング内側のライトで通知するなどの機能も欲しかった。

 また、充電中はアプリで何%まで充電されているかの表示がないのがやや気になった。とはいえ、満充電に要する時間は約1時間なので、そのあたりは割り切った設計なのだろう。バッテリーや充電に関する不満は特になかった。

Acer

指先に装着するだけで健康管理意識が高まる

 付加機能である、カメラのシャッター機能は手を振るという簡単なアクションで利用できるため便利なのだが、アプリ内のカメラでしか使えず、写真のみで動画には非対応なのが残念なところ。今後のバージョンアップでスマートフォンのカメラアプリを直接操作できるようにしてほしい。

 もう1点要望があるとすれば「探す」機能の搭載だ。他社のリングであれば内側のLEDライトを点灯させる機能があるため、部屋の電気を消してリングを見つけることができるものもある。探す機能もぜひ搭載してほしい。

 総論として、3万円程度で買えるAcer FreeSense Ringは、健康管理を意識せずにできるデバイスとして、十分価値がある製品だと感じられた。24時間ほぼ着けっぱなしで使うことができ、また充電頻度も1週間に1、2回程度と少ないため、日々の維持も面倒ではない。

 ウェアラブルデバイスを使っているという感覚から解放されながらも、毎日の運動・生体データがしっかりと保存され、自然と健康管理に気を遣うようになるのである。また、腕時計はスマートウォッチではなくお気に入りの時計を使いたいという人にも、気軽に健康管理ができるAcer FreeSense Ringは向いているだろう。

前へ 1 2 次へ

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング