山根博士の海外モバイル通信

エントリースマホが一変! HMD「Fusion」の機能性カバーが便利すぎたのでほかのスマホにもほしい

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年11月10日 12時00分

 ノキアブランドのスマートフォンを展開していた「HMD」が、2024年9月に発表した「Fusion」は価格を抑えたエントリーモデルです。しかし、背面カバーが取り外し可能で、本体内のPOGOピンを使って機能性のあるカバーを装着できます。ゲームパッドカバーやQi2充電アンテナカバーがアナウンスされていたものの、製品化はされていないようです。

 しかし、10月にドバイの家電量販店を訪れたところ、折りたたみ式のセルフィーライトカバーを付けた状態で販売されていました。

HMD「Fusion」。セルフィーライトケースが標準添付

POGOピン接続で本体と連携する折りたたみ式「セルフィーライトカバー」

 Fusionの主なスペックはディスプレーが6.56型、解像度は低く1612×720ドット。チップセットはSnapdragon 4 Gen 2、カメラは5000万画素広角のみ。バッテリーは5000mAhで交換も可能です。ドバイでは799ディルハム、約3万4000円で販売されていました。

 性能を考えるとやや割高感がありますが、セルフィーライトケースが付いているからこの価格なのかもしれません。

展示品もセルフィーライトケースが装備されていた

 背面を見るとカメラを囲むようにライトが見えます。このように背面に折りたたみ式のLEDライトを収納するカバーは、過去にファーウェイが数モデルを出していました(2021年最強カメラスマホ「HUAWEI P50 Pro」を3ヵ月使ってわかったカメラへの考え方)。

 しかし、ファーウェイの製品はただのカバーケースであり、LEDライトのON/OFFや白色/昼光色の切り替えは背面のボタンで行ないます。しかし、FusionのカバーはPOGOピンで本体と接続されるため、しっかりした機能を持つのです。

普段はLEDライトを背面に収納

 ライトはヒンジで動くため、指先で自由に角度を調整できます。基本的には180度開いて、照明部を正面に配置する使い方が一般的です。

LEDライト部分はヒンジで動く

 正面に位置させるとこのような感じになります。Fusion本体もLEDライトもスクエアな形状なので違和感はありませんね。

ライトを正面に固定

 LEDライトを光らせるためには、カメラを起動します。すると画面の右下あたりに、電球と短冊のようなアイコンがセットで現れます。このアイコンはセルフィーライトカバーを取り付けたときに表示されます。カバーがPOGOピンでつながっているからこそ、このようにメニューにも装着時の状況が反映されるのです。

ライトを光らせてみた

 2つ並ぶアイコンのうち、下の短冊のアイコンは設定画面を開くもの。ここをタップしてみます。

設定画面を開いてみる

 するとライトの点灯・フラッシュ切り替え、明るさ、カラーを設定する画面が表示されます。ただの外付けライトでは、ここまでのことはできませんね。Fusionの機能性カバー機能だからこそできる技です。

ライティングをカスタマイズできる

 色をブルーにしてみました。実際に暗い場所で使えばこのライトの色が自撮りにも反映されます。設定画面で色を変えるごとに、LEDライトの色も即座に変わるので好みの色を選択しやすくなっています。

好みの色に変更できるのは便利

低価格帯モデルの差別化戦略と今後の機能性カバー拡充への期待

 HMDはノキアブランドのスマートフォンを終了し、自社ブランドで低価格帯のモデルを中心に製品展開をしています。しかし、価格だけではシャオミのRedmiやrealmeなど中国系の低価格モデルに勝てません。Fusionのような機能性カバーは製品に差別化できる付加価値を付けてくれます。

 とはいえ、価格がやや高くなってしまうのは悩みどころ。また、今のところセルフィーカバーしか機能性カバーがないため、特徴を出しきれていません。後継機を投入するとともに、カバーの種類もぜひ増やしてほしいものです

機能性カバーの種類増が課題

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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