T教授の「戦略的衝動買い」

Googleの忘れ物ネットワーク「Find Hub」の実力のほどを秋葉原で実体験! 新トラッカー「amine」を衝動買い (1/2)

文●T教授、撮影● T教授、編集● ASCII

2026年04月18日 12時00分

前へ 1 2 次へ

忘れ物タグ

Appleの「探す」ネットワークに対抗するように、対応製品も増えてきたGoogleの「Find Hub」ネットワーク。今回は本当にうっかりの紛失でその実力を試す機会を得た

 「忘れ物」は、ガジェット好きに与えられたある種の宿命のようなものだ。しかし、最新のテクノロジーを味方につければ、その絶望は最高のエンターテインメントにも変わる。今回、筆者の「戦略的衝動買い」のターゲットとなったのは、ロジテックのAndroid専用トラッカー「amine」(LGT-LWUCTG1BKG)だ。

忘れ物タグ

ロジテックの「amine Smart Tag」。Android用の最新タグ

追撃のGoogle、先行するApple「探す/AirTag」の背中はまだ遠い

 Appleの「探す(Find My)」ネットワークはもはや盤石のインフラに思える。iPhoneという巨大な単一国家では、OS標準で捜索網への参加が組み込まれ、日本のようなiPhone大国では落とし物は短期間で地図上に浮かび上がる。なので、よくない使い方にフォーカスされることも多い

 対するGoogleの「Find Hub」は、長らく足並みの揃わない国家のようだった。メーカーごとに仕様が異なるAndroid端末を、1つの捜索網に束ねるのは至難の業。ようやく2024年以降に本格始動したこの「Find Hub」ネットワークは、先行するAppleの背中を猛追するフェーズにある。

忘れ物タグ

机上に並べた歴代のトラッカーたち。今回のamineは精鋭中の精鋭のはずだ

 そんな中、筆者のGalaxy Z Fold7の設定画面で驚いた。以前はプライバシーへの過度な配慮からか、デフォルト設定は「高トラフィックエリア(人混み)限定」だったはず。しかし、今や標準で「どこでもネットワークを使用する」へと格上げされているではないか。

忘れ物タグ

設定画面の衝撃。気づけば「どこでもネットワーク」がデフォルトになったようだ。Googleの本気が見える

 これは、たとえ周囲に1台しかAndroid端末がない静かな場所でも、その1台が検知すれば即座に持ち主に通知するという、極めてアグレッシブなアルゴリズムへの転換を意味する。Googleが「プライバシーの壁」を一段階下げてでも、「発見の確実性」という実利を優先し始めたのかもしれない。

予測不能な「おバカ」な紛失劇

 このGoogleの変化が、実際のフィールドでどれほどの恩恵をもたらすのかはわからない。先日筆者は、衝動買いしたばかりのamineを、いつもの頑丈なTYVEKのブリーフではなく、お気に入りの「賽先生科學工廠トートバッグ」の持ち手に取り付けた、スカルピンの周囲に適当にぶら下げて秋葉原へと繰り出した。今にして思えば、これが企んでも難しい壮大な「実験」の始まりだった。

 案の定、好事魔多し。カフェで一息ついた際、ふとトートバッグを見ると、そこにあるはずのamineが忽然と姿を消している。本来トートバッグを見つけるためのトラッカーそのものを、お粗末な取り付けのせいで紛失するという、文字通りの「おバカ」な事態である。だが、この「最悪のうっかり」が、奇しくもFind Hubの底力を試す実弾検証のスタートとなった。

忘れ物タグ

台湾に行くと必ず訪れる“賽先生科學工廠”のトートバッグに適当に引っかけたamine。100%問題ないと判断したがこれが紛失の原因となった

忘れ物タグ

アプリを開くと、最後に検知されたのは14時26分。UDX横の路上付近だった

善意の第三者と、動き出した「互助会」

 筆者が自宅で頭を抱えていた頃、秋葉原の路上では後に聞いたあるドラマが進行していた。偶然、ビックカメラ付近で信号待ちをしていたShigezone代表の茂田さんが、路上の黒い塊を発見したのだ。

 このamineにはNFCによる所有者連絡機能がない。茂田さんは「持ち主が探しているかも」と考え、ひとまず自身のショップへ持ち帰り、店先にぶら下げてくれた。過去、店の周囲での落とし物はたいてい2~3日中に持ち主が現れるため、それまでは店で預かり、その後警察へ届けるのが慣例だという。

忘れ物タグ

「紛失としてマーク」を開始。Googleの巨大な網に捜索願を出す

忘れ物タグ

電話番号とメッセージを登録。誰かのスマホがこれを見つけることを祈る

忘れ物タグ

Googleから届いた「紛失としてマーク完了」のメール

忘れ物タグ

マイデバイス一覧。amineには「紛失としてマーク済み」の不名誉な文字が

 そして……その夜、22時過ぎ。筆者のスマホに「Find Hub」からの第一報が届いた。驚くべきことに、その後、翌朝までに合計4回もの通知が入った。いずれの位置も大型ゲームセンター「シルクハット秋葉原」の周辺。誰かが拾って移動させたことは明白だ。

忘れ物タグ

22時11分時点の検知ログ。秋葉原駅前付近で誰かのAndroidスマホがamineを捉えた瞬間だ

忘れ物タグ

紛失時(14時26分)と発見前夜(22時11分)の位置情報の対比

忘れ物タグ

紛失場所から最初の発見場所まで約200mほどを誰かが持って移動した感じだ

忘れ物タグ

深夜23時05分と23時49分、さらに翌朝11時38分。刻々と更新される生存報告

前へ 1 2 次へ

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング