松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

仮想敵はUMPC!? BlackBerry Bold (4/4)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2008年10月23日 15時00分

前へ 1 2 3 4 次へ

Macユーザーだからこそ分かるiPhone攻略

 実は三嶋氏は、Macのファンで、自身もMacやiPhoneを使っているそうだ。だからこそiPhoneとは違う魅力を前面に打ち出して、BlackBerry Boldを世に送り出そうとしている。その1つが手厚いユーザーサポート体制だ。

iPhoneとの比較。iPhoneの輝度は落としているが、BlackBerry Boldのディスプレイの明るさ、視認性の高さには驚かされる。待ち受け画面でボールを横に転がすと機能にショートカットすることができる

 日本のユーザーは普通のケータイでウェブを閲覧するのは慣れているものの、フルブラウザーでウェブを活用するスマートフォンには慣れていない。そのため、ユーザーへのサポート体制が重要になる。

 「例えば日本のユーザーは端末について自分で勉強する人も数多くいます。RIM社に提案して、そういったユーザーのために日本独自で編集した、きちんとしたマニュアルを付けることにしました」(三嶋氏)

 電波のつながりやすさ、セキュリティーや長寿命バッテリーなどBlackBerryならではの魅力とあわせて、「ビジネスコンシューマーにはドコモのBlackBerry」というブランディングを推し進める。iPhoneで法人需要を取り込みたいと考えているソフトバンクには手ごわい相手になるだろう。

 いよいよ各キャリアの端末が充実し、面白くなってきた日本のスマートフォン市場。ユーザーはどのような選択をするのか。市場の動向に注目していきたい。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET



前へ 1 2 3 4 次へ

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング