開発しやすさによって増すアプリの魅力
アップルが用意したApp Storeでは、SDKを公開し、開発者が自由にアプリを開発、配布や販売する仕組みをケータイキャリア抜きで構築した。最初の1週間で1000万本のダウンロードを記録し、アプリの数も1万本を超え、App Storeオープンから2ヵ月後の2008年9月10日には1億本のダウンロードも達成。アップルはいきなり新たなアプリの開発と流通のプラットホームを構築してしまったのである。
モバイルウィジェットは、この様子をきちんと見ていた。端末に入っている13のコンテンツの他に、端末発売のタイミングで「ウィジェットストア」をオープン、100以上のコンテンツを網羅している。
さらに、モバイルウィジェットのメリットとして誰もが開発者になれることが挙げられる。現在は有料課金こそ、既存のコンテンツプロバイダにしか開放されていないが、Yahoo! JAPAN IDから開発者登録を行なうと、作ったアプリをソフトバンクの簡単な審査を通じてウィジェットストアへ投入できる。Yahoo! JAPAN IDで登録できる点で、開発者になる敷居はiPhone以上に低くなったのではないだろうか。
「例えば、私のお薦めのアプリ『リグレト』は、落ち込んだ気持ちを打ち明けることで癒される、ウェブサービスのウィジェット版です。スケジュールがタイトでしたが、開発元のディヴィデュアルさんは1ヵ月でアプリを完成させました。ACCESS NetFront Widgetに沿っていて、Ajaxで開発できます。したがって、ウェブ系の方には理解してもらいやすい仕様になっています。審査も長くて2週間ほどなので、アイデアを思いついた段階ですぐに作って、すぐに市場に流通させられるプラットホームを目指しました」(田中氏)
ソフトバンクモバイルでは、ウィジェットの開発者を増やし、またユーザーの増加を狙って、「モバイルウィジェットコンテスト」を開催する。ここではYahoo! JAPANが持つWeb APIも公開しており、ウェブとケータイの一体的なサービス作りを推奨している点もユニークだ。