松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

iidaで革新性から調和へ進化するケータイ (3/5)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2009年04月25日 13時00分

世界的なアーティストと組んで
ケータイを芸術作品化

 またiidaが今回打ち出したもう1つの端末が世界的なアーティスト、草間彌生氏とのコラボレーションだ。コラボレーションと呼ぶよりもむしろ、草間さんの作品がそのままケータイになってしまった、という表現が的確ではないかと思う。

 「iidaのデザイン性やアート性は、ホンモノ感、上質感を出していきたいと考えています。ケータイがアートでどのように変化するか。あるいは日常最も身近な存在であるケータイがアートをまとったとき、我々の生活がどうなるのか。取っつきにくいテーマを身近に感じてもらうことが出来るのではないか、と思っています」(松井氏)

 美術作品としてのケータイ、という存在を提案しているが、まさに美術作品であるため、そう簡単に購入できる値段にならないかもしれない。草間さんの希望通りの色を出すために、手作りで1つ1つの色を再現するといった、普段のケータイ作りにはない苦労もあったそうだ。

 アーティストとのコラボレーションの第1弾に草間さんが登場するとはあまりにインパクトがあるが、逆に参加するアーティストには「思い切りやってしまっていい」というメッセージにもなっているのではないか。

 しっとりとしたこだわりのプロダクトデザイン、アートを爆発させる美術品。iidaが作り出す端末の両極端が醸し出す魅力は、とても楽しみではないか。

草間ケータイ

インパクトがとにかく大きい草間モデル

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