●もちろん対策を進めるアップル
アップルとて、ロビイングだけを頼りにリスク対策をしているわけではありません。すでに生産拠点の組み替えを含む対策を取り始めています。
アップル製品の製造を請け負う台湾Foxconnは、最大で3割までの製造を中国外に移し、アップルの米国でのビジネスを助ける用意があるとの見方を示しました。
また中国Goertekは、ベトナムでAirPods製造テストを始めたと伝わってきます。AirPodsは9月にも10%の関税が課される製品であることから、米国での需要分だけでもベトナムに移しての製造に切り替えることで、関税の負担や転嫁を回避することができるようになると見られます。
いずれにしても、トランプ大統領が望むように、関税をもってしても、アップル製品の製造が米国に戻るわけではなく、その事実に対してトランプ氏や支持者が今後どんなリアクションを取るのか、という点にも注目です。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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