●ティム・クックの一言
2019年12月に日本を訪れていたアップルのCEO、ティム・クック氏。12月10日、iPhone 11 Pro向けの塗料を製造するセイコーアドバンスの視察に同行しましたが、同社のカラーサンプルを眺めながら、その場で「来年はもっと楽しみだね」と一言。
もちろんフランクな会話の中での話でしたが、また新しい色のiPhoneが登場することになるのではないか、という憶測をしてしまっています。
クック氏は他のテクノロジーと同様に「色もイノベーションが必要」という認識を示しています。服を選べるように、自己表現にもなる好きな色のiPhoneが選べるようになるべきで、そのための技術開発の必要性を強調したのです。
現在のiPhoneは十分カラフルといえます。iPhone 11はiPhone XRとは異なる雰囲気で、それぞれ6色選ぶことができます。またiPhone 11 Proはシルバー、スペースグレー、ゴールドに加え、ミッドナイトグリーンという新色が登場しました。iPhone Xの頃は2色だったので、ハイエンドモデルで年々1色ずつ増加しているのが現状です。
さらなる新しい色の模索が、アップルとセイコーアドバンスの間で続いているとすれば、2020年モデルの新色も期待でき、クック氏の言葉がその裏付けになるのかもしれません。
その一方、2020年モデルのiPhoneの背面が、これまでのようなガラスのままかどうかはまだ分かりません。iPad Proはアップルロゴ以外はアルミニウムのケースで覆われています。iPhoneがこの意匠で行くなら、ガラスにプリントされた美しい新色は実現しないことになります。
と、今あるピースで来年のiPhoneを考えてみると、ディスプレイ周りの構成やサイズの変更があるかもしれませんが、iPhoneという存在そのものが大きな変化になるわけではなさそうです。ただ、例年、新製品の予測精度は高まっており、しかし特に今年はカメラ周りで驚きを与えてくれました。このあたりをもう少し掘り下げていければ、と思います。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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