この板は動いているか否か……。
iPad Pro用Magic Keyboardを巡って、こんな論争が起きています。
修理しやすさを評価するiFixitによるiPad Pro用Magic KeyboardのX線写真が公開されたのですが、当初公開された本文では、トラックパッドが「物理的なボタンではない」と指摘していたのです。
新iPad Proのトラックパッドはデザイン変更がされているようです。ハプティック(触覚)フィードバックでクリックが実行され、物理的なボタンはありません。そのため全体に均衡な力が伝わります。
— iFixit Japan (@iFixit_Japan) May 8, 2020
上部のクリック感度が弱い旧MacBook Proのトラックパッドに比べると、これは大幅な改善となるでしょう。 pic.twitter.com/R84vLLcWL5
しかし筆者がレビューした際、板の上下動を確認しており、それに合わせて「カチッ」とクリック音と感触が返ってくることから、物理ボタンであると判断していました。
iFixitが当初指摘した「ハプティックによるクリック感のシミュレーション」とは、近年のMacBookシリーズに採用された感圧トラックパッドとTapTic Engineの内蔵によるテクニックでした。
しかし、後述のように、このクリック感はTapTicエンジンを駆動させることで作り出しており、iPad ProをMagic Keyboardから分離し、通電していない状態にすると、押し込んでも何も反応しなくなります。
もしiPad Pro用Magic KeyboardがTapTicエンジンでクリック感を作っていれば、iPadを取り外して通電しない状況を作り出せば、クリック感が消失するはずです。しかし、通電していなくてもクリック感があることから、やはり物理的なスイッチが板の背後に仕込まれていることになります。
その後iFixitの記事も、物理ボタンであるとの訂正が入りました。
新iPad Proのトラックパッドに訂正があります。
— iFixit Japan (@iFixit_Japan) May 9, 2020
物理ボタンが無く、触覚フィードバックで”クリック”を真似るMacBookのトラックパッドとは違う新デザインが、iPad Proに採用されているようです。指先の動きを推測して感知する多数のボタンが隠れているのでしょうか?
その答えは分解が教えてくれます。