■ドコモ口座では本人確認が不十分だった
今回、ドコモが真っ先に認めたのが、ドコモ口座における「本人確認」が不十分だったという点です。
現在、ドコモ口座はメールアドレスさえあえば誰でも作ることができる状態です。ただ、送金や払い出しなどドコモ口座の機能をフルに使うには銀行口座を登録する必要があります。ドコモは銀行口座の登録をもって「本人確認完了」とみなしていました。
しかしドコモ口座に登録するために必要な情報は、銀行によって異なっていました。銀行によっては口座残高の下4桁など、追加の情報を求めています。総当たり攻撃を防ぐために、「CAPTCHA」の入力を求める銀行もありました。
こうした銀行ごとの違いについて、ドコモ側は「各銀行の仕様に従って接続していた」と説明しています。「銀行側にも非がある」ことを遠回しに示唆したのかもしれませんが、結果的に「ドコモ口座」の名前がメディアで連呼される形になり、ドコモのイメージは大きく落ち込んだといえます。
この点については、ドコモ口座に接続していた各銀行にも説明を求めたいところです。銀行側にもさまざまな事情があり、仕様の統一は難しいのが実情と思われるものの、顧客の資産を守るという最も重要な視点が欠けていた感は否めません。