まずキーボードについては上位モデルと遜色はない。キーピッチは実測18.5mm前後とやや狭いが、キーストロークは1.3mmが確保されており打鍵感は良好。打鍵音も低めの部類に入る。フルスピードで文字入力できるキーボードだ。
「あ」キー(IMEオン)、「A」キー(IMEオフ)を追加した日本語キーボードの新レイアウトについては、筆者は日頃、「英数」キー、「かな」キーを備える「MacBook」を使っているので、特に違和感なく利用できた。ちょっと横幅が狭いが、慣れれば左上の「半角/全角」キーよりも素早く操作できるはずだ。
低価格モデルで10点マルチタッチ対応ディスプレーを搭載したことは、OSでタッチ操作を推進するマイクロソフトのこだわりだろう。デジタルペン「Surfaceペン」を使えないのは残念だが、低価格を実現するためのトレードオフとして納得できる。どうしてもペンを使いたければ、導電性のタッチペンを利用しよう。
ディスプレーの解像度は1536×1024ドット(148ppi)と物足りないが、色域はsRGBカバー率97.2%とモバイルノートPCとして平均以上の数値を実測した。
Windows10マシンとして必要十分なパフォーマンス
ベンチマークは、「CINEBENCH R20」のCPUが1103 pts、「CINEBENCH R15」のCPUが549 cb、「3DMark」のTime Spyが476、Fire Strikeが1449、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のスコアが3561(1536×1024ドット、標準品質、ノートPCに設定時)となった。
「Core i5-1035G4」を搭載する「Surface Pro 7」、「Core i5-1035G7」を搭載する「Surface Laptop 3」と、ベンチマーク項目を抜粋して比較すると下記のようになる。
つまりSurface Laptop Goは、CPU性能はSurface Pro 7の約86%、Surface Laptop 3の約74%、iGPU性能はSurface Pro 7の約74%、Surface Laptop 3の約53%ということになる。エントリー向けマシンとしては十分なパフォーマンスだ。
一方、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」は、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で1997.84MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で799.12MB/sを記録した。体感速度を大きく左右するだけに、予算に余裕があればeMMCモデルではなくSSDモデルを選ぶことを強くお勧めする。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量3%までの動作時間を「BBench」で計測したところ、8時間54分43秒という結果になった。最大13時間というカタログスペックには届かなかったが、一般的な利用スタイルであれば半日無充電で利用できるだけのバッテリー駆動時間を備えている。
手軽にどこにでも持ち運べるサブマシンとして
Surface Laptop Goはもってこい
単に低価格というだけなら、ほかのメーカーに多くの選択肢が存在するが、本製品はSurface Laptopシリーズのクオリティーで最安という点に価値がある。
最大ストレージ容量が256GBなのでメインマシンとして長く運用するのは正直厳しい。しかし、ほかに母艦になるPCを所有していて、手軽にどこにでも持ち運べるサブマシンを探している方に、Surface Laptop Goはもってこいの一台だ。