●接続料の低廉化見込んだ料金設計
MVNOはMNOから回線を借りる際、接続料を支払う。総務省ではMVNOが今後も競争力のある料金プランを提供できるよう「アクション・プラン」を掲げており、2月中にもMNOからMVNOに対して新たな接続料が提示される計画であった。
しかし、接続料の提示を待ってから料金プランを策定していては、1年で最も契約が獲れるとされる「春商戦」には間に合わない。特に今年の春商戦は3キャリアが相次いでオンライン専用プランを投入する。4月1日には楽天モバイルも新料金プランがスタートし、1GB未満であれば0円で利用できるようになる。
IIJとしては、早いタイミングで新料金プランを発表することで、既存のIIJmioユーザーに「新しい料金プランは魅力的だからやめないでね」というメッセージを出すことを優先したというわけだ。
ただ、新たな接続料が提示されていない中での料金値下げということは、接続料の値下げ予想が外れた場合、収益が悪化する恐れもある。実際、IIJは過去に接続料の予想を外して収益が下がったこともあれば、想定以上に値下げされて、収益が上向いたこともある。
IIJ、矢吹重雄MVNO事業部長は「将来の予見性や研究会などの情報交換をした上で料金設定をしている」として、接続料は基本的には低廉化が見込まれており、中長期的に回収できる見込みを立てているという。