Windows情報局ななふぉ出張所

PayPay「有料化」でスーパーアプリ競争加速か (2/3)

文●山口健太

2021年09月06日 09時00分

コード決済のおトクなイメージを活用

 コード決済といえば還元キャンペーンのイメージも定着しています。コロナ禍で実店舗での施策は難しい状況でしたが、9月1日から新宿区では最大25%の還元が始まるなど、経済再開を見据えた動きが出てきています。

新宿区ではスマホ決済4ブランドが最大25%還元を開始

 こうして築いたおトクなイメージを決済だけにとどめておく理由はないでしょう。au PAYは銀行、証券、クレジットカードを紐付けることで、auじぶん銀行の普通預金金利を最大0.20%に引き上げる施策を発表。au経済圏への囲い込みを強化しました。

au PAYの新施策。最大0.20%は楽天の類似サービスを上回る

 ライバルとしては楽天を意識している印象です。楽天はポイントを中心とした経済圏の構築で先行しており、他社のお手本となってきました。さらに楽天モバイルを契約した人が楽天市場のアクティブユーザーになる傾向が明らかになったことで、自信を深めているようです。

楽天モバイルの利用者は楽天市場での買い物が増えているとのデータ

 その反面、楽天は基地局などへの先行投資でしばらくは苦しい状況が続くと予想され、携帯事業を後押ししていたとされる菅首相が辞任を表明したことも不利に働く可能性があります。携帯値下げをカバーすべくEコマースや金融を強化したい大手3キャリアにとって、いまが楽天のお株を奪うチャンスというわけです。

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