石川温のPCスマホニュース解説

「空飛ぶ基地局」競争が始まっている (1/4)

文●石川温

2022年05月09日 09時00分

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 2030年までに「6G」が始まろうとしているが、いまのところ、何を持って「6G」とするかは決まっていない。これから標準化などの作業が進んでいく予定だ。

 そんななか、6Gのキーワードとなりそうなのが「空」だ。国内キャリアも、空からネットワークを構築しようと動き出している。

KDDIは「Starlink」を利用

 すでに動き出しているのがKDDIだ。先頃、Twitterを買収したイーロン・マスク氏が手がけるスペースX社の「Starlink」を利用する契約を締結している。

 Starlinkは高度約550kmの低軌道上に多数の人工衛星を打ち上げて、宇宙からブロードバンド通信サービスを提供するというものだ。2021年12月現在、約1500基の非静止衛星が運用されており、これまでの通信衛星に比べて地球に近いため、低遅延で高速な通信が提供できているというわけだ。

 すでにStarlinkは一般ユーザー向けにアメリカやカナダにおいて、月額99ドルで通信サービスが提供されている。しかし、利用するには専用のパラボラアンテナが必要であり、どちらかというと固定回線の代替として使われている。

 KDDIでは、まずStarlinkをau基地局のバックホール回線として利用する計画だ。これまで光回線を敷設できなかった山間部や離島などにStarlinkと通信できる基地局を設置。その周辺をエリア化するというものだ。2022年から全国1200の基地局に順次導入する計画だ。

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