石川温のPCスマホニュース解説

「空飛ぶ基地局」競争が始まっている (2/4)

文●石川温

2022年05月09日 09時00分

楽天の切り札は「スペースモバイル計画」

 一方、第4のキャリアとして参入した楽天モバイルは、先頃、人口カバー率96%を達成したものの、既存3キャリアの99.9%を肩を並べるのは時間がかかると見られている。

 3キャリアは「プラチナバンド」というつながりやすい周波数帯を持ち、効率よく、地方でのネットワークを構築している。しかし、楽天モバイルにはプラチナバンドがない。3キャリアから、3Gサービス終了で使わなくなるであろうプラチナバンドを一旦総務省に返してもらい、再度楽天モバイルに割り当ててもらうよう根回しをしているようだが、3キャリアの反発は必至だ。

 そんななか、楽天モバイルが人口カバー率100%達成の切り札としているのが「スペースモバイル計画」だ。

 地上700kmのところに人工衛星を飛ばし、衛星から地球に電波を降らせ、一気に日本中をエリア化するという構想。ユーザーが使う電話機は、既存のスマートフォンのままでいいというのが注目ポイントだ。

 業界関係者からは「そもそもスマートフォンが飛ばせる電波は100kmぐらいしか飛ばない。かなり無理のある計画ではないか」「いや、衛星のアンテナが巨大であれば通信はできる。実現したら、常識が一変する。我々も何か考えなくてはいけなくなるだろう」といった様々な声が寄せられている。

 そんななか、「現実的な技術」として期待されているのがHAPS(High Altitude Platform Station、高高度プラットフォーム)だ。

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