節目を迎えた“Adobe Photoshop”の未来をデボラ・ウイットマン氏に聞く (3/4)

文●千葉英寿

2007年05月18日 18時00分

Extendedは、次のステップに行こうとする クリエイターのために機能を盛り込んだ

Photoshopは、これまでもグラフィックなどのクリエイティブ以外のさまざまな分野でも活用されてきた。そのたびにいろいろなところからの反響を受けて、ここに至るまで“バーチカル”なバージョン(専門分野に特化した個別バージョン)を作ることも考えた、とウィットマン氏は語る。

「ビデオ向けとか、科学者向けといったように考えてもいました。しかし、ユーザーのみなさんからいただいた声は実際には違っていました。それは分野が違っても、実際にオーバーラップする機能がかなりあったということです。ビデオ・プロフェッショナルからのフィードバックには、自分が購入するAdobe Photoshopに“ない機能があってはならない”、という声もあり、すべての機能をカバーしたスーパーセットが欲しいというフィードバックを多く受けました。ハイエンドの中のハイエンドの方にとっては、すべての機能が必要だということなのです」

ウィットマン氏は“CS3 Extended”がこれまでのAdobe Photoshopのユーザーとはまったく異なる新しいターゲットを狙っているものではないと語る。

「グラフィックやビデオのプロフェッショナルの8~9割の方々にはすでに使っていただいているので、この分野では新しいユーザーはないと考えています。お使いいただけるのは、いままで購入していただけなかった新しい顧客ということではなく、いままでの顧客の言わばサブセットだった方々です。最もハイエンドなユーザーで、デジタルイメージングでは最も高度な方々で、次のステップに行こうとしている方々と言えます」

新たに登場した“CS3 Extended”は、今後どうなっていくのだろう。少なくとも“Extended”という冠が今回だけのあだ花になってしまう可能性は低い。ウィットマン氏はすでに次のバージョンの話も進めていると語る。

「すでにどういうフィーチャーを入れるべきかはかなり分かっています。現状でも入れなければならないバックロード(積み残し)のフィーチャーがあるぐらいなのです。開発チームもそれに沿って、すでに作業をはじめています。とにかく今はまずは、今回のバージョンを出させてください(笑)」

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