iPhoneを使い始めることで
ノートPCでのデータ通信サービスに興味を持った
東京で生活している筆者はiPhoneの導入以前は、外出先でのネット環境は無線LANだけで暮らしていた。もちろんイー・モバイルなどの3Gデータ通信もチョイスとしてあったし、実際に検討していたものの、家でできる仕事がメインだったこと、大学を始め、しばしば行く場所には無線LANがあったため、ポイント単位でネットに接続できればそれほど不便ではなかった。
また公衆無線LANサービスも契約して試しに使っていた。今振り返ると、大学やオフィスなどの良く行く場所、カフェや駅などの公衆無線LANエリアなど、ネットに必ずつながる「拠点」を街の中にばらまいた状態で街の中を移動している生活だった。
仕事上、ネットにつながる事よりも、手になじむ打ちやすいキーボードが確保されたMacBook Airが机でも膝の上でも開ける事が重要だった。必要であれば、そのエリアに入って通信をすればよい。この使い方だと「情報を作ってはき出す」「情報を受信して処理する」という“モード”がばっさりと分かれていたように思う。
これが、iPhoneを手にしてから変わった。
iPhoneは画面や利用できるアプリケーションやサービスが限られるが、3G回線でどこでもつながる。メールもポケットから出した瞬間にチェックできるし、ウェブにもアクセスできる。最もインパクトがあったのが、Twitterを常時チェックできるようになったことかもしれない。
これまで点でアクセスしてきたインターネットが、移動中などの線でアクセスしている状態になった。意図的にiPhoneを見ない、という時間を作るとしても、必要であればすぐにiPhoneの画面からウェブにアクセスが可能なのだ。
日本のケータイでも同じ事だったと思うが、自分の中で、「線で使ってきたケータイのインターネット」と「点で使ってきたパソコンから使うインターネット」でどこか線引きをしていて、iPhoneはいわば「線で使えるパソコンのインターネット」のような体験になったのではないだろうか。
iPhoneのポケットから取り出して1秒でウェブにつながる手軽さによって、動きながらパソコンで使えるインターネットに触れてしまったがために、パソコンからも動きながらインターネットにアクセスすることに魅力を感じ始めたのである。