松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップル「Swift UI」が注目される理由 (3/5)

文●松村太郎 @taromatsumura

2019年07月02日 09時00分

●まるでKeynote

 SwiftUIに対応するアプリ開発環境Xcode 11には、画面デザインをマウスで配置することができる仕組みが用意されました。

 たとえば画面領域にマウスでパーツを配置すると、左側にすぐにコードが組み上がっていきます。ライブプレビューとなっているため、コードを修正するとすぐに画面の中のパーツにも変化が加わります。

 パーツの表示にアニメーションをつけたい場合も、まるでKeynoteのトランジションを設定するような感覚。非常に直感的に、アプリ画面をデザインすることができるようになります。

 そういえば、iPhoneなどのアプリのプロトタイプに、PowerPointやKeynoteといったプレゼンテーション作成アプリが活用されてきました。それでは画面遷移などの表現が難しいということで、AdobeはXDといわれるユーザー体験設計アプリをリリースし、現在は無料化しています。

 いままで、アプリ画面のイメージを伝えるにはこうしたツールを活用してきましたが、Xcode 11を使うと、開発環境でそのままアプリのデザイン案を作ることができるようになります。

 そしてもちろん、プロトタイプとして作ったアプリの画面は、そのまま実際の処理のコードと組み合わせて活用することができます。コードを実際に書くプログラマ以外の人も、Xcodeを使ってアプリ画面を試しに作ってみる、といった作業が非常に気軽にできるようになり、そのアイデアがムダにならなくなる可能性があるのです。

 繰り返しになりますが、もちろんアプリを初めて作る初心者にとっても、UIデザインのハードルが極めて低くなる点も、重要なポイントとなります。

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