ASCII Power Review

Surface Laptop 3 (13.5インチ) 実機レビュー = IceLakeに3対2液晶で「2020の標準ノートPC」だった!!

文●写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2019年12月11日 13時00分

 本体サイズ/重量は、13.5型が308×223×14.51mm/1265g(プラチナ/コバルトブルー)または1288g(ブラック/サンドストーン)、15型が339.5×244×14.69mm/1542g。従来シリーズには高級自動車で定番のAlcantara(アルカンターラ)素材がパームレストに採用されていたが、Surface Laptop 3はサンドストーンとブラックにメタルパームレスト、コバルトブルーとプラチナにAlcantaraパームレストが使われている。なお15型はブラック、プラチナともにメタルパームレスト仕様だ。

 インターフェースは、USB 3.1 Type-C、USB 3.1 Type-A、3.5mmヘッドフォンジャック、SurfaceConnectポートが用意されている。Mini DisplayPortから置き換わったUSB 3.1 Type-C端子は、ふたつの4Kディスプレーを60Hzで駆動可能で、USB Power Delivery対応ACアダプターから給電や充電が可能だ。またUSB 3.1対応モバイルストレージを装着すれば、高速にファイルを読み書きできる。Surface Proシリーズとは異なりメモリーカードスロットがない点は残念だが、USB 3.1 Type-Cが採用されたことによってモバイルノートPCとしての使い勝手は向上した。

本体天面。今回借用したのはコバルトブルー(Alcantara)モデルだ

本体底面。認証情報やシリアルナンバーはヒンジ側に記載。ネジはゴム足に隠されており、スッキリとした見た目だ

本体前面(上)と本体背面(下)。本体背面下部には冷却口が設けられている

本体右側面(上)と本体左側面(下)。本体右側面にSurfaceConnectポート、本体左側面にUSB 3.1 Type-A、USB 3.1 Type-C、3.5mmヘッドフォンジャックが配置されている

13.5型のディスプレー解像度は2256×1504ドット、画素密度は201ppi。ディスプレー上部のベゼルにはWindows Hello顔認証によるサインイン用IR(赤外線)カメラ、Webカメラ(720p/F値2.0)、デュアルマイクが内蔵されている

キーボードは日本語配列のみ。コバルトブルーとプラチナカラーのモデルには、パームレストを含むキーボード全面にAlcantara素材が貼られている。寒い時期にタイピングしても金属筐体に触れることはないので、不快な冷たさとは無縁だ

同梱品一覧。本体、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類(クイックスタートガイド、安全性および保証に関する書類)、Office Home and Business 2019初回インストール用プロダクトキーが同梱されている

ACアダプターの仕様は、入力100-240V~1.6A、出力15V 4.0A、5V 1A、容量65W

本体の実測重量は約1271g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測約295.8g

USB 3.1 Type-C搭載により
周辺機器との接続が容易に

 Surface Laptop 3のキーボードはキーピッチが19mm、キーストロークが1.3mm確保されている。キー配列はSurface Proシリーズ用キーボードカバー「タイプカバー」とほぼ同じ。電源ボタンが配置されているぶんファンクションキーの幅が狭いが、打ちやすいキーボードだ。ただし中央部分のキーボード面はたわみが少し大きいように感じた。タイピングに影響があるほどではないが、もう少し剛性が高いほうがよいと思う。

 従来モデルと比べてもぱっと見は変化がないが、実はF4、F8、電源ボタンのキートップ右上に「アクセシビリティバンプ」という小さなコブが設けられており、キートップを見なくてもファンクションキーの位置などを確認できる。ファンクションキーを多用する人は重宝するはず。ほかのSurfaceシリーズのキーボードにもぜひ採用してほしい形状だ。

 ディスプレーが10点マルチタッチ、Surface Penに対応している点は、OSを作っているマイクロソフトこだわりの特徴と言える。多くの人々がキーボードやマウスよりも、スマホ、タブレットのタッチ操作に慣れているのだから、クラムシェルスタイルのノートPCでもせめてタッチ操作には対応するべきだと思う。

 改めてインターフェースについても触れておくが、Mini DisplayPortからUSB 3.1 Type-Cに変更されたことにより、USB Power Delivery対応ACアダプターによる給電や充電、モバイルストレージとのファイルのやり取り、モバイルディスプレーとの接続が容易になった。

 しかしUSB 3.1 Type-Cがひとつというのはどう考えても少なすぎる。次期モデルではUSB 3.1 Type-A端子を残しつつ、USB 3.1 Type-C端子をふたつ搭載してほしい。それがThunderbolt 3にも対応していたら五体投地で感謝を捧げたい。

F4、F8、電源ボタンのキートップ右上に「アクセシビリティバンプ」という小さなコブが設けられており、手探りでもキー配置を確認できる

キーピッチは19mm

キーストロークは1.3mm

Alcantaraで覆われたパームレストは手のひらに当たる感触が心地よい

キーボードバックライトは3段階で調整可能

小さなボタンなどはタッチパッドやマウスのほうが操作しやすいが、ウェブページや画像などを拡大縮小するのに10点マルチタッチ対応ディスプレーは重宝する

「Surfaceペン」もしくはMicrosoft Pen Protocol対応デジタイザーペンを利用可能。ただし押せば傾くディスプレー面には少々書きづらい。基本的には文書に注釈などを入れるためのものと割り切ろう

ディスプレーの最大展開角度は約138度

61WのUSB Power Delivery対応ACアダプターで給電や充電できることを確認した

USB 3.1対応モバイルストレージを接続すれば高速にファイルを読み書きできる

対応ディスプレーを用意すれば、USB Type-Cケーブル1本で映像出力と給電を行なえる

G7搭載の高性能版Core i5で
Surface Pro 7を上回るパフォーマンスを発揮

 今回借用したSurface Laptop 3のスペックは、Core i5-1035G7/8GBメモリー/256GB SSD(PCIe接続)。実施したベンチマークは「CINEBENCH R15.0」、「3DMark v2.10.6799」、「CrystalDiskMark 7.0.0」、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、「BBench」の5本だ。なおベンチマークを実施する前に、「電源モード」を「最も高いパフォーマンス」に設定している。ただし「BBench」のみ「推奨」で計測を行なった。

 結果は、CPUベンチマーク「CINEBENCH R15.0」のCPUスコアは「740 cb」、3Dベンチマーク「3DMark」の「Time Spy」は891、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」は「4383(快適)」、「CrystalDiskMark 7.0.0」で計測したSSDのシーケンシャルリード(1M Q8T1)は2339.02MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)は1535.22MB/sとなった。

 ちなみに「Core i5-1035G4」を搭載する「Surface Pro 7」の実機レビューで計測したCINEBENCH R15.0のCPUスコアは「641 cb」、3DMarkのTime Spyは「643」。「Core i5-1035G7」を搭載するSurface Laptop 3は、「Core i5-1035G4」を搭載するSurface Pro 7と比べて、CPU性能は約1.15倍、グラフィックス性能は約1.39倍ということになる。

 またストレージ性能も、Surface Pro 7はシーケンシャルリード(1M Q8T1)が1934.58MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)が807.73MB/sだったので、Surface Laptop 3はシーケンシャルリードで約1.2倍、シーケンシャルライトで約1.9倍の性能を備えていることになる。編集部で借用したSurface Pro 7には「HFB1M8MO331C0MR」、Surface Laptop 3には「KBG40ZNS256G」というSSDが搭載されていた。両者に計測誤差以上の性能差があることは確かだ。

 バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量5%までの動作時間を計測したところ、11時間11分17秒という結果になった。同条件で計測したSurface Pro 7のバッテリー駆動時間が10時間8分49秒だったので、約1時間長く動作していることになる。Battery reportコマンドで確認したバッテリーのフル充電容量が、Surface Laptop 3が48Wh、Surface Pro 7が46Whと異なっていたが、ベンチマークの結果はそれ以上の差だ。

 マイクロソフトの技術仕様に掲載されているバッテリー駆動時間は、Surface Laptop 3が最大11.5時間、Surface Pro 7が最大10.5時間。両者にはスペックどおりのバッテリー駆動時間の差があることは間違いない。

3Dベンチマーク「3DMark」の「Time Spy」は891

「CrystalDiskMark 7.0.0」で計測したSSDのシーケンシャルリード(1M Q8T1)は2339.02MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)は1535.22MB/s

Surface Laptop 3は
クラムシェルスタイルのリファレンスモデルである

 マイクロソフトが開発したSurface Laptop 3はクラムシェルノートPCのリファレンスモデル的な存在で、外部グラフィックスは搭載していないものの、ライトな3Dゲームなら快適にプレイできるパフォーマンスと、軽く11時間を超えるバッテリー駆動時間、そして1日中携帯していても負担にならない1265g/1288gという軽量ボディーを兼ね備えている。

 USB 3.1 Type-C端子がどうしてもふたつほしい方、Thunderbolt 3が絶対に必要という方にはほかのモデルを勧めるが、このふたつの条件が必須でなければ、クラムシェルスタイルのモバイルノートPCを購入する際に最初に検討すべき一台だ。

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