この2~3年の間にSIMフリースマートフォン市場はますます充実している。性能と価格に優れた製品だけでなく、最近ではおサイフケータイや防水といった、今まではキャリアモデルにしかなかったような機能を持つものも増えているのだ。
そのような状況のなか、登場したのがOPPO「Reno A」。3万円台・おサイフケータイ(Felica)・防水・DSDVと、格安SIMでメイン端末として使う上で必要な要素を揃えた機種として人気になっている。しかし、この4項目を持った機種がもう1つ登場した。それがシャープ「AQUOS sense3 SH-M12」だ。今回はOPPO Reno Aと比較する形で紹介したい。
便利な機能の数々と低コストを同時に実現してくれる
前述した3万円台・おサイフケータイ・防水・DSDVの4項目のうち、DSDV以外の3つを揃えた機種は、国内メーカーを中心に何機種か存在した。そこにSIMフリースマホならではの機能であるDSDVが加わることで、2つのSIMを同時に利用できえう、つまり2つの電話番号で同時に待ち受けできるようになった。
DSDV機の基本的な利用法として、仕事とプライベートの電話番号を1台で使い分けるというものがあるが、キャリア契約SIM+格安SIMという組み合わせでも料金の低廉化が可能だ。
たとえば、ドコモ「ギガライト」、au「新auピタットプランN」、ソフトバンク「ミニモンスター」といった通信量に応じて段階的に料金が変わるプランでは、通信量が1GB以下だと特に安くなる。この主要キャリアのSIMで待受や通話定額、付帯サービスなどを利用しつつ、データ通信部分だけを格安SIMにすることで、1台のスマートフォンでキャリアの便利なサービスと節約が共存できる。
MVNOの格安SIMでは混雑時の速度が心配というのなら、どうしても遅いというときだけは、データ通信を3大キャリアに切り替えればいい。1GBまでであれば、3大キャリア側の回線も最低料金内で使えるのでうまく活用すればいい。
なお、ソフトバンクユーザーは注意が必要だ。ソフトバンク契約で提供されるSIMは、通称“逆SIMロック”と呼ばれる制限があり、SIMの種類で使える端末が分けてられている。対応しない端末を使うとネットワークにつながらなかったり、完全従量制のパケット料金が請求されることがある。
公式の案内としては、SIMフリー機でソフトバンクのSIMを用いる場合は、別途用意されているSIMフリー機用のものに有料で交換する必要があり、しかも割引サービスの条件が変わるケースもある。ソフトバンク契約者はよくよく対応を確認してほしい。