ベンチマークの結果については、「CINEBENCH R20」のCPUは1582 pts、「CINEBENCH R15」のCPUは797 cbと出た。
「3DMark」のTime Spyは1192、Fire Strikeは3692、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のスコアは5502(1920×1080ドット、標準品質、ノートPCに設定)である。
CH90/E3は「Core i5-1135G7」を搭載している。動作周波数はセッティングにより900MHzから、2.40GHz、最大周波数は4.20GHzである(熱制御により周波数は変動する)。
第10世代のIceLake「Core i7-1065G7」(4コア8スレッド、1.30~3.90GHz)を搭載するDellのXPS13では、R20が1886、R15が811cbだった。CPUの速度としては、クロックぶん届かなかったことになる。
では「G7」 の部分つまり、内蔵GPUはどうかというと、XPS13はTime Spyは962、Fire Strikeは2727だったから、CH90/E3つまりTigerLakeの「Core i5-1135G7」のほうが、24%から35%も速くなっていることになる。Core i5-1135G7の「Iris Xe Graphics」は、EU数は80基で最大クロックは1.3GHzである。i7-1065G7の「Iris Plus Graphics」はEUが64基で最大クロックは1.1GHzなので、実行ユニット数とクロックの差が出たわけだ。
第10世代のComet Lake「Core i7-10510U」を搭載する「ExpertBook B9」は3DMarkのTime Spyは497、Fire Strikeは1244だった。CH90/E3はExpertBook B9に対して、Time Spyで約2.4倍、Fire Strikeで約2.97倍のスコアを記録している。
TigerLakeのG7つまり「Iris Xe Graphics」の威力はインテルのいうとおり、すごはやなのだ。
「CrystalDiksMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は2335.20MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は1374.98MB/sとなった。
バッテリーベンチマークについては、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量2%までという条件で「BBench」を実行してみたが、8時間5分6秒という結果になった。電力消費が多い有機ELディスプレーを搭載していても、モバイル用途に活用できるだけのバッテリー駆動時間を備えている。
今から買うノートPCは
TigerLakeで決まりなのである
CHシリーズにはフルHD液晶ディスプレー(IGZO)/256GB SSDを搭載し、本体重量が約988gの「LIFEBOOK CH75/E3」(直販価格17万280円)もラインナップされている。CH90/E3との価格差は2万2000円だが、有機ELディスプレーの画質、ストレージ容量を考慮すれば、個人的にはCH90/E3を強く推したい。
とは言えディスプレーの違いにより、バッテリー駆動時間はCH90/E3が約13.4時間、CH75/E3が約16.8時間とカタログスペックで3.4時間の差がある。どちらを選ぶか悩ましい選択だ。
いずれにしても最新世代のCPUを搭載しつつ、インターフェースを刷新し、入力/出力に対応するHDMI端子を備えたCHシリーズは、先進性と手堅さが共存するモバイルノートPCだ。カスタマイズでも増量できない8GBメモリーというスペックさえ納得できるのであれば、2020年末のモバイルノートPCとして魅力的な選択肢と言えるだろう。