まず処理性能をチェックしてみたが、定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは286788となった。Pixel 4 XLが417214なので、ナンバリングが上がっているのに、パフォーマンスは約69%に低下しているわけだ。普通に使っているかぎりは両者にスコアほどの差は感じない。しかし、新しい端末のほうが性能は低いというのは混乱を招くと思う。
一方、6型のOLED FHD+(1080×2340ドット、432ppi)ディスプレーの画質は申し分ない。輝度は公表されていないが、OLEDならではの鮮やかな発色だ。また、NetflixでHDRコンテンツを再生できないOLED搭載スマホは結構存在するが、Pixel 5はしっかりと対応している。豊かな発色、階調で映画、ドラマを堪能可能だ。
Pixel 5は最大90Hzのリフレッシュレートに対応しているが、筆者がほぼ毎日プレイする「PUBG MOBILE」ではその恩恵を受けられなかった。「PUBG MOBILE」のフレーム設定には、低、中、高、ウルトラ、極限、90fpsの項目が用意されているが、クオリティーを一番下の「スムーズ」に設定しても「ウルトラ」までしか選べない。処理性能的にも90fpsは厳しい可能性が高いが、90Hzのリフレッシュレートの恩恵を受けられるアプリが限定的なのは残念である。
カメラ画質は良好
特に夜景モードはトップクラスだ
さてカメラ画質については非常に高いレベルだ。他社のフラッグシップモデルのようにトリプル構成ではないが、広角カメラ、超広角カメラでオート撮影した写真は、解像感が高く、発色も自然。特に夜景モードの出来がよく、明るく撮影しつつ、白飛びやノイズはしっかり抑えている。ファーウェイやサムスン端末の夜景モードに迫る画質を備えていると思う。
一方、デジタルズームは最大7倍に対応しているが、グーグルの超解像技術をもってしてもPCやテレビの大画面で鑑賞するのには厳しい画質だ。基本的には10インチ前後までのディスプレーで見るための倍率だと割り切ろう。
トータルバランスに優れた端末で5Gを利用したい人に魅力的
Pixel 5とPixel 4a 5Gの価格差は1万4300円。機能差を考えればPixel 5の価格はお買い得に感じられる。シャオミやOPPOなどのミドルクラスの端末と比べてしまうと高く思えるが、FeliCaへの対応など日本市場での実用性という点ではPixel 5、Pixel 4a 5Gに軍配が上がる。なにより最新OSがいち早く、そして長期間提供されるというメリットもある。5Gネットワークをトータルバランスに優れたAndroid端末で利用したいと考えている方に、Pixel 5は魅力的な選択肢である。