画質には感嘆したが、使い勝手の点でいくつか注意点がある。まず「ナイトモード」が用意されているが、暗めの景色では手ぶれが発生しやすい。筆者が試したかぎりでは撮影時間が12秒を超えると、手持ちでは手ぶれが多発した。ノイズは少なく、白飛びも抑えられているが、ナイトモードでは三脚を使うか、手すりなどでしっかりと固定したほうがよさそうだ。
もうひとつの注意点は最短撮影距離が長いこと。筆者が試したかぎりでは17cmぐらいの距離で「もう少し離れて撮影してください」という警告メッセージが表示された。小さな被写体は、あまり寄らずに撮影して、あとでトリミングするなどの運用が必要となる。
速度計測ではSnapdragon 888の威力を実感
最後にパフォーマンスをチェックしよう。「AnTuTu Benchmark V9」の総合スコアは767194、「Geekbench 5」のSingle-Core Scoreは1127、Multi-Core Scoreは3534、「3DMark」のWild Lifeのスコアは5469となった。記事執筆時点のAnTuTuのランキングでトップの「realme GT」は822869を記録しているので、AQUOS R6はその約93%のスコアということになるが、実際の用途で使い勝手に差を感じることはないはずだ。
なお、参考用にPC用冷却台に乗せた状態でAnTuTuを実行したところ、779547とスコアが向上した。サーモグラフィーカメラで発熱をチェックしたところカメラ下が最も熱くなっていたので、この部分にスマホ用クーラーを装着すればピークパワーをより維持できそうだ。
「AQUOS R6」と「Leitz Phone 1」
どちらを選ぶか迷うのである
既報の通り、基本設計を同一にしているが、製品全体をライカが監修した「Leitz Phone 1」(18万7920円)の発売がソフトバンクから7月以降に予定されている。カメラ画質についてはあえて差をつけることは考えにくいが、「カメラ」アプリのUIを変更し、撮影モードが充実している可能性が高い。
スマホとしてのUIもシンプル化していると思われる。価格差を考えると、実を取るか、プレミアム性とユーザー体験を重視するかは悩ましい選択なのである。とはいえ、いまこの瞬間、1型イメージセンサーを搭載したスマホがほしいならAQUOS R6以外に選択肢はない。