ASCII Power Review

「ONEXPLAYER 1S(Super Edition)」実機レビュー = 激小ボディにCore i7-1195G7で超速モバイルPCなのだ!

文●写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2021年09月22日 13時00分

 まずゲーミングUMPCとしての使い勝手だが、ゲームコントローラーは個人的に非常に気に入った。どのボタンもしっかりとした「押した感」があり、ちょっと触れただけで誤操作する心配は少ない。またバイブもかなり強めで、ゲーム専用機のコントローラーと同様の強いフィードバックを得られる。288mmという幅から単体ゲームコントローラーと比べると大きく感じるが、Nintendo Switchなどに慣れていればまったく問題ない。

 キーボードカバーもサイズのわりには使いやすい。キーピッチは実測15mm前後とかなり狭いが、ぎりぎりタッチタイピングできる。もちろんフルスピードでテキスト入力できるわけではないが、出先でちょっとしたメールなどに返信するのであれば必要十分だ。

 やや慣れが必要だと思ったのがタッチパッド。実測55×31mmと面積が狭いこと自体は問題ないが、クリック感がかなり固く、正直操作しにくく感じた。クリックせずにタップで済ませるか、もしくはディスプレーのタッチパネルをメインに操作したほうがよいと思う。

 スペックで気になったのがディスプレーの色域。公式サイトではsRGBカバー率100%と謳われているが、貸出機をカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率93.7%、AdobeRGBカバー率70.0%、DCI-P3カバー率69.7%という結果となった。

ゲームコントローラーはXboxコントローラー準拠。ALPS製スティックを採用しているだけに操作感は良好だ

キーピッチは実測15mm前後

キーストロークは実測1.9mm前後

タッチパッドは実測55×31mm。狭いが3本指ジェスチャーは可能だ

個人的にはタッチタイピングは可能だが、タッチパッド操作がやや難しかった

「ONEXPLAYER専用キーボード(英字配列)」を裏に回すと、寸法が足りないために接点部がはずれてしまう

タッチパッド操作がやや難易度が高いぶん、ディスプレーのタッチ操作を多用したほうが快適だ

8.4型WQXGA IPS液晶はsRGBカバー率100%が謳われている

ディスプレーのリフレッシュレートは60Hz

実測したsRGBカバー率は93.7%

速度計測で判明! ONEXPLAYERの「底力」恐るべし

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」で5715pts、「CINEBENCH R20」で2208pts、「CINEBENCH R15」で923cbを記録した。

 「Core i7-1165G7」を搭載した「インテルNUC M15ノートブックPCキット」が6458pts、2512pts、1031cbだったので、ONEXPLAYERはその約0.88倍、約0.88倍、約0.90倍のパフォーマンスを発揮したことになる。

 CPUのクロック周波数はONEXPLAYERのほうが上だが、冷却性能は「インテルNUC M15ノートブックPCキット」のほうが有利。インテル印のノートPCに、ゲーミングUMPCがここまで食らいついているのだから、ONEXPLAYERの底力恐るべしである。

「ターボ切り替え」ではTDPを20Wと28Wに切り替えられる。今回はターボONでベンチマークを実施した

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は5715pts、R20は2208pts、R15は923cbだった。

「CINEBENCH R23」実行中のCPUクロック周波数は平均3441.72MHz、最大3774.2MHz、CPU温度は平均92.42℃、最大100℃(室温21.6℃で測定)

 一方3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで1834、Fire Strikeで5295、Wild Lifeで11681を記録した。「インテルNUC M15ノートブックPCキット」が1808、5273、13422だったので、ONEXPLAYERはその約1.01倍、約1.00倍、約0.90倍のパフォーマンスを発揮したことになる。Wild Lifeだけ奮わなかったが、Time Spy、Fire Strikeではほぼ同等のスコアというのも驚異だ。

「3DMark」のTime Spyは1834、Fire Strikeは5295、Wild Lifeは11681、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは2530(やや重い)

 ストレージ速度は、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で2480.47MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で2051.79MB/sを記録。PCIe Gen3 x4接続のSSDとしては突出した性能ではないが、実用上問題はない。

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は2480.47MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は2051.79MB/s

 バッテリー駆動時間については、ターボOFF、ディスプレー輝度40%、バッテリー残量5%までという条件で、バッテリーベンチマーク「BBench」を実行したところ、9時間38分25秒動作した。UMPCとしても、ゲーム機としても十二分なバッテリー駆動時間が確保されている。

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」実行中のディスプレー面の最大温度は42.4℃(室温24.4℃で測定)、背面の最大温度は36.3℃、ACアダプターの最大温度は46.1℃

ハイパフォーマンスと汎用性で
一線を画すゲーミングUMPCなのである

 ONEXPLAYERはゲーミングUMPCというカテゴリーに属するマシンだが、一般的なモバイルノートノートPCのフラッグシップと同等のパフォーマンスを備えている。

 キーボードカバーが用意されていることから、ゲームだけでなく、ビジネス用途にも活用可能だ。

 サイズは純粋なUMPCより少々かさばるが、ハイパフォーマンスと汎用性では一線を画す孤高のゲーミングUMPCなのである。

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