まずゲーミングUMPCとしての使い勝手だが、ゲームコントローラーは個人的に非常に気に入った。どのボタンもしっかりとした「押した感」があり、ちょっと触れただけで誤操作する心配は少ない。またバイブもかなり強めで、ゲーム専用機のコントローラーと同様の強いフィードバックを得られる。288mmという幅から単体ゲームコントローラーと比べると大きく感じるが、Nintendo Switchなどに慣れていればまったく問題ない。
キーボードカバーもサイズのわりには使いやすい。キーピッチは実測15mm前後とかなり狭いが、ぎりぎりタッチタイピングできる。もちろんフルスピードでテキスト入力できるわけではないが、出先でちょっとしたメールなどに返信するのであれば必要十分だ。
やや慣れが必要だと思ったのがタッチパッド。実測55×31mmと面積が狭いこと自体は問題ないが、クリック感がかなり固く、正直操作しにくく感じた。クリックせずにタップで済ませるか、もしくはディスプレーのタッチパネルをメインに操作したほうがよいと思う。
スペックで気になったのがディスプレーの色域。公式サイトではsRGBカバー率100%と謳われているが、貸出機をカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率93.7%、AdobeRGBカバー率70.0%、DCI-P3カバー率69.7%という結果となった。
速度計測で判明! ONEXPLAYERの「底力」恐るべし
最後にパフォーマンスをチェックしよう。まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」で5715pts、「CINEBENCH R20」で2208pts、「CINEBENCH R15」で923cbを記録した。
「Core i7-1165G7」を搭載した「インテルNUC M15ノートブックPCキット」が6458pts、2512pts、1031cbだったので、ONEXPLAYERはその約0.88倍、約0.88倍、約0.90倍のパフォーマンスを発揮したことになる。
CPUのクロック周波数はONEXPLAYERのほうが上だが、冷却性能は「インテルNUC M15ノートブックPCキット」のほうが有利。インテル印のノートPCに、ゲーミングUMPCがここまで食らいついているのだから、ONEXPLAYERの底力恐るべしである。
一方3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで1834、Fire Strikeで5295、Wild Lifeで11681を記録した。「インテルNUC M15ノートブックPCキット」が1808、5273、13422だったので、ONEXPLAYERはその約1.01倍、約1.00倍、約0.90倍のパフォーマンスを発揮したことになる。Wild Lifeだけ奮わなかったが、Time Spy、Fire Strikeではほぼ同等のスコアというのも驚異だ。
ストレージ速度は、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で2480.47MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で2051.79MB/sを記録。PCIe Gen3 x4接続のSSDとしては突出した性能ではないが、実用上問題はない。
バッテリー駆動時間については、ターボOFF、ディスプレー輝度40%、バッテリー残量5%までという条件で、バッテリーベンチマーク「BBench」を実行したところ、9時間38分25秒動作した。UMPCとしても、ゲーム機としても十二分なバッテリー駆動時間が確保されている。
ハイパフォーマンスと汎用性で
一線を画すゲーミングUMPCなのである
ONEXPLAYERはゲーミングUMPCというカテゴリーに属するマシンだが、一般的なモバイルノートノートPCのフラッグシップと同等のパフォーマンスを備えている。
キーボードカバーが用意されていることから、ゲームだけでなく、ビジネス用途にも活用可能だ。
サイズは純粋なUMPCより少々かさばるが、ハイパフォーマンスと汎用性では一線を画す孤高のゲーミングUMPCなのである。