スマホの主役はAIエージェントへ。クアルコムが放つ超絶スペック「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」の衝撃 (1/2)

文●石野純也 編集●ASCII

2026年09月24日 09時00分

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 クアルコムは、9月22日(現地時間)に米ハワイ州のマウイ島で「Snapdragon Summit 2026」を開催した。24日まで、3日間に渡って新製品や同社のチップセットを採用したスマホ、PCなどが披露される。例年、本イベントでは最上位のSnapdragonがお披露目されるのが恒例になっているが、今年のイベントでは、製品名に「Elite」を冠したチップセットが2つ発表された。

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Snapdragon Summitの会期初日にあたる22日に発表されたSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6

スマホの中心は「アプリ」から「AIエージェント」へ
多様化に応える2つの最上位チップ

 クアルコムのモバイルハンドセット部門でシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるクリス・パトリック氏は、2つ折り、3つ折り、カメラ特化型と多様化するスマホを挙げ、「1つのサイズだけではフラッグシップを定義できない」とその目的を語った。最上位の製品になるのが、「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」。もう1つが、「Snapdragon 8 Elite Gen 6」だ。

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例年とは異なり、今年は2つのフラッグシップが発表された。右がExtremeのない、Snapdragon 8 Elite Gen 6になる

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クアルコムのパトリック氏は、ハイエンドデバイスが多様化していることを理由に挙げた

 いずれのチップセットも「エージェンティックAI時代のプロセッサー」(同)を目指して開発されたもの。同社の社長兼CEOを務めるクリスティアーノ・アモン氏は、「ユーザー体験の中心になるのは、携帯電話ではなく、AIエージェントである」と語っており、Snapdragonもそれに即した形で機能を進化させている。ユーザーの個人情報を踏まえつつ、複数のタスクやデバイスをまたがって実行するため、CPU、NPU、GPUに多数のアップデートが加えられているのが特徴だ。

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クアルコムのアモン氏は、ユーザーの体験の中心になるのは、電話ではなく、AIエージェントになると語った

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初の2nmプロセスと5GHz到達!
CPU・NPU・GPUのすべてをAI処理に最適化

 Snapdragon 8 Elite Gen 6、Elite Extreme Gen 6ともに、Snapdragonでは初の2nmプロセスで製造されたチップセットとなる。基調講演では、Extremeに絞ってその機能が紹介された。CPUは、AIにタスクを効率的に割り振るオーケストレーションを担う機能が強化されている。ExtremeのCPUは、プライムコアが2つ、パフォーマンスコアが6つのオクタコア構成で、よりクロック周波数の高いプライムコアは初めて5GHzに達した。

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プライムコアのクロック周波数は5GHzに達した。なお、Extremeではない、Gen 6もこの点は同じだ

 また、コア同士で共有し、割り当てを動的に変える16MBの「Oryon Flex Cache」を搭載している。従来の仕組みだと、プライムコア、パフォーマンスコア、それぞれにキャッシュが固定されていたが、新たな仕組みでは、これを動的に変更することで、よりパフォーマンスの高いコアにキャッシュの容量を多く割り当てて使うことが可能になった。

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より高速なプライムコアを生かしやすくするため、16MBのキャッシュはCPUのカテゴリーを問わずに共有される

 キャッシュやメモリーの強化は、CPU以外のプロセッサーにも及んでいる。AIの推論などの処理を担う「Hexagon NPU」は、オンチップキャッシュを大きく増量。処理するデータをNPU内に保持することで、メモリーへのアクセスを減らして処理能力を向上させるアプローチを取っている。

 また、NPUは必要なモデルを動的に呼び出すMoE(Mixture of Experts)モデルに対応しており、300億パラメーター規模のモデルを直接動作させることが可能になった。

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メモリーを複数のコアで共有するというアプローチは、NPUにも共通している

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NPUでは、300億パラメーターのAIを動作させることが可能になった。ただし、この機能はExtremeに限定される

 グラフィックスの処理を担うGPUには、「Adreno Matrix Cores」と呼ばれるAI処理を専用に担うコアが内蔵され、描画処理などを行なう際に、GPUで直接AIモデルを実行する仕組みが採用されている。

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GPUにも、18MBの共有メモリーを搭載する

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Extremeには、AI処理を担うMatrix Coresが内蔵され、解像度の向上やレイトレーシング、フレームレート補間などをAIができるようになった

 解像度のアップスケールや、レイトレーシングの処理などに特化しており、消費電力を抑えながらこうした処理ができる。CPU、NPUだけでなくGPUもAIの処理に最適化させた格好だ。さらに、AIエージェント時代に「環境や文脈情報のインテリジェンスの第一線」(パトリック氏)として機能する「Sensing Hub」にも、デュアルMicro NPUが搭載された。

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