格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す!

基本料0円のpovo2.0がスタート、タダで使い続けることは可能? 利用は簡単? まずは試した (2/2)

文●正田拓也 編集● ASCII

2021年10月03日 12時00分

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実際にpovo2.0に加入した
設定はauやpovo1.0とは別モノ、SIM交換も必要

 povo2.0は、9月29日9時から受付を開始したが、筆者もすぐに申し込んだ。すぐに使いたかったのでeSIMを選んだが、開始直後の混雑のためか、実際に利用可能になったのは11時過ぎだ。

申し込みはアプリで完結する。eSIMであればpovo側の準備が完了すれば、設定してすぐ使える

 加入手続きはすべてpovo2.0のアプリからの作業で、連絡は自分で用意したメールアドレスに届く。個人確認も運転免許証や自分の顔を静止画と動画を撮影する方式で進める。昔ながらのパスワードやネットワーク暗証番号が無いのがpovo2.0の特徴で、ログインは認証コードがメールで届く方式となっている。

eSIMが有効になった

eSIMの設定方法もアプリで確認できる。eSIMはQRコード表示のほか、コードをコピペでも登録可能

 今回はMNPなどではなく、純粋な新規加入で申し込んだが、povo2.0では、物理SIMの場合はauからの移行であっても新たなSIMが発行される(povo1.0からの移行でも同様)。そしてAndroidスマホなどで必要なAPN設定もauとは別物になっており、設定の変更が必要だ(iPhoneではiOS 14.5以上の場合、自動で設定される)。

 もっともAPN設定は、auやpovo1.0での呪文のような長い文字列とは異なり、APNに「povo.jp」を設定し、通信プロトコルにIPv6を加えるだけ。auからの移行では一手間かかるが、他社からだとかなり楽になっている。

手続き状況はアプリで確認できる

トッピングもアプリで購入する。購入後すぐに有効になる

 なお、現在は実際に契約する前に事前エントリーをして申し込みすると(今でもエントリー可能)、初回のデータトッピング購入容量に合わせて追加容量がプレゼントされる。つまり、最初の購入はできるだけ大きい容量がお得になる。開通後、速度測定をしてみようと考えているなら、最低でも3GBは必要。筆者の場合、povoが予想外に高速だったため、何も考えずに最初に購入した1GBは一瞬で使い切ってしてしまった。最初から大きな容量を購入していれば、もっと大きなデータボーナスがもらえたのにと思うと残念だ。

事前エントリー後に契約すると、初回の通信量購入時に追加のボーナスが

速度はかなり高速、LTE端末でも100Mbpsオーバーも

 povo2.0の速度はかなり高速だ。測定した場所は5G対応エリアではないが、キャリアアグリゲーションが利いていたのか100Mbps超の速度を何度も記録した。使用したスマートフォンはSIMフリー機の「OPPO Reno5 A」で、eSIMにpovo2.0を入れたうえでahamo/LINEMOの物理SIMを入れて、切り替えながら測定した。

 また、MVNOの格安SIMとしてシャオミ「Redmi 9T」にIIJmio(ドコモ)のSIMを入れて測定した。こちらは5Gもキャリアアグリゲーションも非対応のため、空いているときはさらに上の速度が出たかもしれないが、あくまで参考までに見てほしい。

 通信が最も混雑すると言われる昼食時でも、povo2.0では速度が落ちておらず100Mbpsを軽く超えている。5Gで接続したahamo、LINEMOもかなり高い数値を出している。IIJmioは以前から上りが非常に速いという特徴があるが、下り速度は従来ながらのMVNOの格安SIMの速度といった具合である。

平日午前10時頃の速度

(Mbps) 下り 上り
povo2.0 56.80 19.90
ahamo 77.40 9.64
LINEMO 71.55 7.43
IIJmio 34.60 13.30

平日昼12時45分頃の速度

(Mbps) 下り 上り
povo2.0 175.00 10.90
ahamo 118.00 10.90
LINEMO 73.30 10.60
IIJmio 0.96 30.90

平日夜20時頃の速度

(Mbps) 下り 上り
povo2.0 90.40 16.00
ahamo 149.00 36.00
LINEMO 74.50 8.87
IIJmio 41.90 16.50

 ちなみに測定日は、昼と夜の時間帯の測定は9月29日のpovo2.0サービス開始直後のために空いていた可能性、午前10時ごろの計測は翌日の9月30日という半期の締めの日ということもあり、ネットが混雑していた可能性がある。あくまでそうしたなかでの数字と捉えてほしい。

 もし、povo1.0やauとはまったく独立したネットワークであった場合、サービス当初だけは混雑がないという可能性もある。現時点で非常に高速なので今後もかなり期待は持てるが、速度重視であればもう少し後に計測した数字で判断したい。

容量管理やギガ集めが楽しめるユーザーに向いている

 最後に、povo2.0がおすすめのユーザーを考えておきたい。通信量はすべてトッピングなどでユーザーがその都度追加するシステムなので、自分で積極的に残りの通信量を管理するユーザーに向いている。と同時に、効率的なポイント獲得でオトクを追求する「ポイ活」ならぬ、「ギガ活」を楽しめるなら、さらに向いている。

 反対に余裕のある通信量のプランを使っていて、面倒なことはしたくない人にはpovo2.0は向いてない。月20GBのpovo1.0の新規受付は終了したが、UQ mobileであれば比較的安価な料金で利用でき、サポートなども充実していることから、無理にpovo2.0にせず、UQ mobileを検討することをおすすめしたい。

 また、スマートフォンを複数台持っている場合にも活用できる。povo2.0は1人で複数回線の契約をする際に制限があり、追加回線は3300円の事務手数料がかかる場合もあるとされているので注意が必要だが、上手な活用方法を考えて、便利に使ってもらいたい。

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