末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢

エリクソンがアップルを提訴 5G時代の本格化に向け、足場固めるプレイヤーたち (2/2)

文●末岡洋子 編集● ASCII

2021年10月23日 12時00分

前へ 1 2 次へ

5G端末ではアップル、通信機器ではファーウェイ

 ここで無線通信ベンダーと端末ベンダーの市場での状況を見てみよう。

 無線通信ベンダーでは、ブロードバンドアクセス、モバイルコアネットワークとRAN、SPルーターとスイッチなどを含むテレコム機器市場(売上ベース)では、ファーウェイが圧倒的なトップで、シェア28.8%。エリクソンは15%で2位、続いてNokiaの14.9%となっている。なお、ご存知のようにファーウェイは米国でほとんど展開していないため、自国と国外でシェアは大きく異なると思われる。

 なお、ファーウェイは5G特許という観点でも群を抜いている。IP(知的所有権)のインテリジェンスプラットフォームであるIPlytics Platformが2月に公開したレポートによると、「5Gファミリーにおけるシェア」はファーウェイが15.39%でトップ。2位のクアルコムの11.24%に大差をつけている。ちなみにエリクソンは4.35%。

 端末ベンダーの5G端末におけるシェア(出荷台数ベース)は、アップルが28.3%でトップ。続いてOPPO(14.4%)、サムスン(13.9%)となっている。5Gスマートフォンの先陣を切ったのはサムスンだったが、アップルが対応機種を発表すると市場が拡大するという、いつものパターンになっている。

 米国の対中政策もありモバイル業界の構図が変わりつつある中、5Gでの特許ライセンス交渉が難航するケースが今後増えるのかもしれない。

 

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

前へ 1 2 次へ

mobileASCII.jp TOPページへ