想像以上の進化「コンピュテーショナルフォトグラフィー」
前置きが長くなったが、今回Pixel 6 Proを1ヵ月ほど使ってみて実感したのは、その「コンピュテーショナルフォトグラフィー」のまさに想像以上の進化だ。スマホの黎明期、カメラ機能が一般的なカメラに勝てなかったのは“ボケ”だった。
やがてそれをカバーするアプリが登場し、その後「コンピュテーショナルフォトグラフィー」の賜物であるポートレートモードが実装されるようになった。そしてこのPixel 6/6 Proでは、スローシャッターというさらに高度な技を駆使できるようになった。
スローシャッターとは文字通り、シャッター速度を遅く(つまりシャッターが開いている時間を長く)すること。これによりブレを視覚効果として活かすことができる。Pixel 6/6 Proでは実際にシャッター速度を遅くするわけではなく、画像処理で擬似的にその効果をつくる。細部をよく見るとしくじっている部分もあったりするのだが、誰でも簡単に使える機能としては実に巧妙。
その結果は作例をご覧いただきたい。こういう写真をふつうのカメラで撮るには、それなりの道具や技術と手間が必要になってくるのだが、そんなものが一切いらないのである。そのうちフォトグラファーなんて職業もいらなくなってきたらどうしよう……。