スマホで肥大化する大容量データを外付けSSDに逃がすのが思いのほか便利だった件(2023) (2/2)

文●平澤 寿康 編集●北村/ASCII

2023年06月05日 11時00分

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USB 3.1 Gen1準拠のUSBメモリーはSSDより遅いが
USB 2.0ケーブル接続のSSDよりは速い

 続いて、USB 3.1 Gen1(USB 3.0)準拠のUSBメモリーを利用した場合の転送時間をチェックしていこう。

 利用したUSBメモリーは、Samsungの「USBメモリ Type-C™」。容量256GBの一般的な製品で転送速度が最大400MB/sと、SSDにも匹敵する速度を誇っている。また、接続コネクターがUSB Type-Cとなっているため、直接スマホに接続して利用できる点も便利だ。

 検証は先ほどのT7の場合と同じで、Galaxy S23の内蔵ストレージに保存した撮影時間約25分、容量約14GBの8K動画ファイルを、ファイル管理アプリ「マイファイル」を利用して内蔵ストレージから転送し、その時間をストップウォッチを利用して3回計測し平均を出している。

Samsungの「USBメモリ Type-C™」。USB 3.1 Gen1準拠で、転送速度は最大400MB/s

USB Type-Cコネクター採用のためスマホに直接接続して利用できるのは便利

 結果は約3分47秒と、T7と比べて5倍以上の時間がかかってしまった。メーカー公称値の転送速度が最大400MB/sということを考えると、やや時間がかかりすぎている印象もある。

14GBの動画ファイルの転送にかかった時間
ストレージ 転送速度 平均 1回目 2回目 3回目
SSD T7+USB 3.2 Gen2ケーブル(付属) 385.45MB/s 39秒 37秒59 40秒07 38秒11
SSD T7+USB 2.0ケーブル(市販) 37.77MB/s 6分38秒 6分38秒37 6分38秒62 6分38秒30
USBメモリー 66.22MB/s 3分47秒 3分47秒83 3分46秒58 3分46秒75

上表の平均値をグラフにしたもの

 ただ実は、USBメモリーの多くは読み出し速度は速くても、書き込み速度が遅い場合が多い。USBメモリ Type-C™も書き込み速度は公表しておらず、おそらく公称の転送速度は読み出し時のもので、書き込み速度は遅いと考えて良さそうだ。

 それでも、USB 2.0ケーブル接続時のT7と比べると3分速く転送できており、特別遅いわけではない。USBメモリーは同一容量のポータブルSSDと比べて安価に購入できることを考えると、コストを抑えたい場合には有効な手段となりそうだ。

 ただし、その場合でも、必ずUSB 3.1 Gen1(USB 3.0)以上に準拠するUSBメモリーを使うようにしたい。USB 2.0準拠のUSBメモリーでは、USB 2.0準拠USB Type-Cケーブルを利用したT7と同様の遅さとなるので注意しよう。

価格下落もあり、T7はスマホのデータ転送用として大いに魅力あり!

 T7は、SamsungのポータブルSSDの中でもメインストリームモデルとして位置付けられている製品。名刺サイズで58gの軽さながら、金属ボディの採用で高さ2mからの落下にも耐えられる優れた堅牢性を持っており、安心して利用できる。

 また、高速なPCIe NVMe SSDを内蔵しており、USB 3.2 Gen2のインターフェースを組み合わせることで、リード最大1050MB/s、ライト最大1000MB/sの高速アクセスを実現。今回のテスト結果を見てもわかるように、スマホがUSB 3.2 Gen2に対応していないとしても、大容量の動画データを短時間で転送できる場合が多い。

 しかも、このところのSSDの価格下落によって、大容量SSDも非常に買いやすくなっている。T7の場合でも、今回利用した1TBモデルは実売価格が1万1000円前後。性能面を考えても、非常にコスパに優れるSSDと言っていいだろう。

 そのため、スマホの内蔵ストレージ容量不足に悩んでいる場合には、価格下落で購入しやすくなったT7の大容量モデルを強くお勧めしたい。

 

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