山根博士の海外モバイル通信

BALMUDA Phoneより小さい! HMD最新の小型端末「HMD Touch 4G」が驚異の軽量設計で登場

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年10月09日 12時00分

HMD Touch 4G

小型タッチ端末「HMD Touch 4G」登場

 ノキアブランドの端末を出していたHMDから、小型のタッチパネル搭載端末「HMD Touch 4G」が登場しました。サイズは61.85×102.3×10.85mm、重量は100gです。小型スマートフォンの「BALMUDA Phone」が123.0×69.0×13.7mm、138gでしたから、それよりも一回り小さいのです。

サイズはかなり小さい

 OSはRTOS Touchを採用。リアルタイムOSの一種で、少ないメモリー上でもタッチ操作が可能な組み込み型のOSとのこと。そのため、アプリに関してはHMDが用意したものしか利用できないようで、一般的なSNSアプリは非搭載。

 現時点で判明している情報は、HMD Touch 4Gの画面画像で、これを見るとスマートフォンよりもフィーチャーフォンに近い製品ですね。また、Cloud Phone機能で天気予報などを同期できるそうです。もしかすると、このCloud Phone機能でSNSアプリなどが利用できるかもしれません。

フィーチャーフォンに近い製品。Cloud Phone機能が気になる

「Express Chat」でスマホユーザーとつながる

 なお「Express Chat」アプリでiOSやAndroidユーザーとチャットが可能とのこと。Google Playで検索してみると、確かにExpress Chatというアプリがあります。おそらくApp Storeにもあるのでしょう。

 とはいえ、ほかの端末ユーザーとのコミュニケーションがこのExpress Chatと通話、SMSだけというのは寂しい気がします。しかし、逆手にとってHMD Touch 4Gをミニマルな端末として使うというのもアリでしょう。

Express Chatでスマホユーザーとコミュニケーションがとれる

 カメラは200万画素。フロントは300万画素。ここまで低画素だと、ちょっとした記録用途程度にしか使えません。逆に、解像度が低いからこそエモい写真が撮れるという面白さもあるでしょう。スマートフォンユーザーがあえてサブ用途に持ち運ぶのもいいかもしれません。

 バッテリーは1950mAh、3.5mmヘッドフォン端子搭載、さらに緊急発信ボタンも備えています。

カメラは超低スペックだ

ノキア「Asha」シリーズの再来

 手のひらサイズのタッチパネルフォンというのは珍しいデザインですが、実は今から10年以上前に、HMDの前身ともいえるノキアが「Asha 500」シリーズとして「Asha 500」「Asha 501」「Asha 502」「Asha 503」の4機種を出していました。

 Ashaシリーズそのものは、フィーチャーフォンでありながらもタッチパネルを搭載したラインナップでしたが、その中でもAsha 500シリーズはスクエアなボディーとすることで、超小型なスマートフォンデザインというモデルだったのです。上位モデルとなるノキアのスマートフォン「Lumia」シリーズの兄弟機という位置づけだったのでしょう。

Nokia Asha 500

 筆者もAsha 501発売時にレビュー記事を書きましたが、手軽に使える小型端末には大きな魅力を感じたものです(かわいいフルタッチケータイ『Nokia Asha 501』にイチコロ)。

 ただし、ノキアはこの4機種の後継機は出さずで、事実上の後継となるのは翌年にノキア初となるAndroidを搭載した「Nokia X」シリーズと言えます。この頃のノキアは、2012年にサムスンに携帯電話出荷台数で初めて抜かれて世界2位へ転落。Windows Phoneを搭載したLumiaシリーズで頑張ったものの、AndoridとiOS陣営に勝つのは難しいことがわかっていたのでしょうね。

 Asha 500シリーズも、フィーチャーフォンユーザーが乗り換えるほどの魅力はなかったかもしれません。

Nokia X

 そんなAsha 500シリーズの復活ともいえる、HMD Touch 4G。日本語は対応しないでしょうけれど、シンプルな端末を欲しいユーザーには魅力的な端末と言えます。

 まずはインドで発売されるようですが、筆者もぜひ入手したいと考えています。

実機を早く触ってみたい

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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