このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー

今年のPixelは全部おもしろい。だから迷う、標準モデルかProモデルか、Foldか (1/2)

文●山本 敦 編集●ASCII

2026年08月29日 12時00分

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 筆者は2025年秋から約1年間、6.8型のGoogle Pixel 10 Pro XLをメインのAndroidスマートフォンとして使ってきました。ハンドリングの簡便さだけを考えれば、6.3型のGoogle Pixel 11 Proの方が優秀なスマホかもしれません。片手でも操作しやすく、ジャケットやバッグのポケットにも収まりやすいからです。

 それでも筆者は、動画やゲーム、ウェブ、SNSなどを大きく表示できるXLの体験に魅力を感じています。大画面スマホには、スペック表だけでは読み取れない心地よさがあるからです。

6.8型のSuper Actuaディスプレーを搭載するGoogle Pixel 11 Pro XL

大きさゆえの安心感がPro XL的魅力

 最新のGoogle Pixel 11 Pro XLは、片手で持ちながら画面の隅々まで操作するのが難しいスマホです。ただ、約226gという重さは筆者にとって必ずしも欠点ではありません。手の中で位置が定まりやすく、海外出張時の慌ただしい移動でも安定して扱えるからです。

左がPixel 11 Pro XL、右がPixel 10 Pro XL。カメラバーの形状が変わっています

 空港や駅ではスーツケースを引きながら、スマホで地図やウェブ、メッセージを確認したりと、慌ただしく過ごす時間も長くなります。XLはバッグの中でも存在感があり、手探りで見つけやすい大きさが筆者にとっては魅力に感じます。両手で構えて操作することも含めて、その大きさと重さが「安心感」につながっているように思います。

 もちろん、これは万人に当てはまる評価ではありません。だからこそスマホは、画面サイズや重量をスペックで確認するだけでなく、自分の身体になじむか、実機に触れながら選ぶことが大切だと思います。

 Pixel 11 Pro XLは、Pixel 10 Pro XLの方向性を大きく変えていません。長く使い続けるほど心地よさが実感できるように、細部を丁寧にブラッシュアップした印象を受けます。

左が6.3型のPixel 11 Pro。Super Actuaディスプレーによる自然な発色やコントラスト感は共通しています

 6.8型のSuper Actuaディスプレーは、最大輝度が前世代の2000ニトから2400ニトへ、HDRコンテンツ表示時のピーク輝度は3000ニトから3600ニトへ向上しました。ディスプレー表面の耐擦傷性も前世代の約2倍に高めています。

 バッテリー容量は5115mAh。前世代の5200mAhからわずかに減りましたが、30時間以上の駆動をうたいます。対応する充電器を使えば、約30分で平均75%まで充電できます。

 海外出張では、地図を確認しながら移動し、アプリで電子搭乗券を表示するほか、空き時間にはカメラや動画プレーヤーとして、スマホが縦横無尽に活躍します。こうした使い方が増えるのであれば、大画面の見やすさに加えて、バッテリー容量に余裕があることもスマホ選びの重要なポイントになります。

Pixelsnapに対応する本体ケース。初めてクリアカラーのケースが誕生しました

自然な快適さを追求した新しいAI機能

 Pixel 11シリーズには、グーグル独自設計のGoogle Tensor G6チップが搭載されています。機械学習処理を担うTPUの性能は前世代比で50%向上し、カメラの画像処理や、デバイス上で動くGemini Nanoなどを支えます。

 筆者が特に気に入ったのは、グーグルのキーボードアプリである「Gboard」のAI音声入力が賢くなったことです。話した言葉をそのまま文字にするだけでなく、「えーと」「あのー」といった言いよどみによる「フィラーワード」を取り除き、言葉に詰まったときの間を解釈して、さらに句読点やリストを加えながら文章を整えます。

 入力後も音声で修正や書き換えを指示できるため、頭に浮かんだ考えを途切れさせることなくテキストデータに変換できます。

Gboardはあらゆるアプリの文字入力で使えるキーボードアプリ。Geminiに長めのリクエストを投げたい時に、音声でストレスなく文字入力ができると快適でした

 Android標準のメッセージに表示される「情報カード」も便利です。チャットでレストランの営業時間や場所に関連する話題が上ると、関連情報をカード形式で提示し、メッセージから直接Googleマップアプリへ飛べるようになったり、必要な操作にトスしてくれます。

 メッセージの情報をコピペしたり、または頭の中に入れながら、関連するアプリを立ち上げてから再びキーワードを入力するという、一連の手間をAIが解消してくれるわけです。

メッセージアプリの情報カード。送られてきたメッセージにレストランや商業施設、観光地などの情報が含まれていると、営業時間やGoogleマップ、電話アプリへのリンクなども合わせて知らせてくれます

 大画面のXLであれば、カードに表示された情報を見渡しやすく、そのままGoogleマップなどへ移動した際にも、地図や周辺情報を広く確認できます。もちろん、GboardのAI音声入力も含めて、これらはPixel 11 Pro XLだけの機能ではありません。Pixel 11シリーズ全体を通して印象的なのは、Geminiをスムーズに使うための動線が整えられて、キーボードやメッセージ、カメラなど、普段触れるアプリの中にも自然にAIが組み込まれたことです。

 Pixel 11 Proシリーズでは、背面のカメラバーにLEDを使った通知機能「HiLight」も加わりました。スマホを伏せて置いた状態でGeminiに話しかけると、処理中であることを光で知らせます。お気に入りに登録した相手からの着信も、指定した色で確認できます。音声や画面の中だけにいたAIが、Geminiに対応するGoogle Homeスマートスピーカーのように、光の点滅を介してユーザーのいる空間へ姿を現して、少しだけ人間味を増したような手応えがあります。

スマホを伏せたまま「Ok Google」の呼びかけに反応していることを知らせてくれる「HiLight」

 一方で、AIを操作する時の音声入力は、依然として周囲に人がいる場所ではまだ使いにくいことがあります。AIがユーザーの行動を理解し、操作を減らしてくれる段階には、もうひと頑張りが必要だと思います。

 それでもPixel 11シリーズを使ってみて、AIが少しずつアプリの境界を越え、スマホユーザーを先回りしながら支援するエージェンティックな振る舞いの未来に期待がわいてきました。

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