Xperia温故知新! 波瀾万丈な歴史を紐解く

「Xperia XZ1 Compact」はコンパクトでもハイエンドのスペックだった

文●君国泰将 編集● ASCII編集部

2019年08月12日 10時00分

 日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。

コンパクト=ミドルレンジの常識を覆した
「Xperia XZ1 Compact」

 「Xperia XZ1」と同時期の2017年11月に、コンパクトモデルとして登場したドコモ「Xperia XZ1 Compact SO-02K」。

 半年サイクルで登場するXperiaシリーズの中にあって、コンパクトなモデルはほぼ1年周期で、実質的に「Xperia X Compact SO-02J」の後継モデルにあたりました。

 Xperia X Compactはミッドレンジのプロセッサーを搭載し、スペックが抑えられていましたが、Xperia XZ1 Compactは、「Xperia XZ Premium」や「Xperia XZ1」と同じプロセッサーやメモリーを載せた、コンパクトでもハイスペックな機能を装備しています。

 Xperia XZ1 Compactのディスプレーサイズは4.6型で解像度は1280×720ドット。コンパクトモデルのディスプレーは長らく変化なく、HDR(ハイダイナミックレンジ)などは備わっていません。SoCはXperiaハイエンドモデルと同じ「Snapdragon 835(MSM8998)」を採用したことが話題になりました。メモリーは4GB搭載し、内蔵ストレージは32GBながらも高速な読み書きできるUFSを採用し、上位モデルと遜色ありません。

 本体サイズは、約65×129×9.3mmで、重量は143gとコンパクトモデルならではの軽さ。ボディーは樹脂素材(グラスファイバー強化プラスチック)でありながら、金属のような質感を醸し出し、サイドから背面までを一体化したバスタブ構造で、上下のパーツにはダイヤモンドカットのメタルパーツを採用し、曲げやねじれに強い特性と継ぎ目のないデザインでした。

 また、画質設定が刷新され「色域とコントラスト」の調整に「プロフェッショナルモード」を選ぶと、sRGBの色域により原色に忠実に表現できるので、たとえばデジタル一眼カメラなどで撮った写真を転送して閲覧する使い方もできます。

インカメラが大幅にアップデートされた

 カメラは「Xperia XZ1」と同じく、約1900万画素と画素数を抑えたメモリー積層型CMOSイメージセンサー Exmor RS for mobileとなる「Motion Eyeカメラシステム」を搭載。コントラストAFと像面位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドAF」や、被写体の動きを予測して写体を捉えてブレのない撮影が可能な「先読みオートフォーカス機能」から、最大960fpsのスーパースローモーション撮影ができます。また、「Xperia XZ1」と同じく新機能の「3Dクリエイター」も利用できました。

 フロントカメラは、「Xperia X Compact」では500万画素だったものから「Xperia XZ1 Compact」は800万画素のExmor R for Mobile CMOSセンサーへと高画素化。約120度の超広角セルフィーカメラで、グループショットも背景と一緒に広々と撮影したり、人物メインで撮りたい場合には約80度へ切り替えることもできました。

オーディオはスピーカーの音量が50%アップ!

 オーディオ機能としては、フロントスピーカーの音量は「Xperia X Compact」の50%増しとなり、バーチャルサラウンド技術S-Force フロントサラウンドも合わさって、音楽や動画をより迫力のあるサウンドで楽しめます。

 ワイヤレス機能面も強化され、Bluetooth 5.0に対応しました。高音質ワイヤレスの対応コーデックとしてLDACに加えてaptX HDも利用できます。

 当然ながらハイレゾ音源の再生にも対応しており、周囲の騒音を最大約98%まで低減するデジタルノイズキャンセリング機能も同時に利用可能で、さらにCDやMP3などの圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」も備わっています。

Xperia Aceに継承される
コンパクトモデルの血統

 そのほかの機能をチェックすると、底面にあるUSB Type-C(USB2.0)は、Quick Charge 3.0に対応して充電時間をより短縮できるように。指紋認証は、サイドフレームにある電源ボタンは指紋認証と連動。

 また、IPX5/IPX8相当の防水性能とIP6X相当の防塵性能を備えて水回りでも安心して使えます。バッテリー容量は2700mAh。外部ストレージとしてのmicroSDは最大256GB(microSDXC)まで対応し、OSはAndroid 8.0でした。

 ディスプレーはHD画質のままでHDRに非対応など、以前と変わらない部分もありながら、プロセッサーやメモリーについてはXperiaハイエンドモデルと同等の性能をこのコンパクトモデルに持たせ、ポケットに入れても邪魔にならないサイズ感のままで、サクサク軽快な動作は快適そのものです。

 撮りたいと思った瞬間に取り出してすぐにシャッターを切れるチャンスをのがさないカメラ、いつも身につけて有線でもワイヤレスでも良い音で聴ける音楽など、納得のスペックがコンパクトモデルに収まっているとても魅力的なモデルでした。

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング