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HUAWEI nova 5T 実機レビュー = 使ってみたら「5万円で買えるフラッグシップ・スマホ」だった!

文●写真 ジャイアン鈴木 + 編集● PowerReview軍団

2019年11月28日 12時00分

 5Tの本体サイズは約73.97×154.25×7.87mm、重量は約174g。カラーはミッドサマーパープル、クラッシュブルー、ブラックの3色が用意されている。なお背面に「nova」のデザインロゴが入るのはミッドサマーパープルのみだ。

 デザイン的な最大の特徴は約6.26インチのフルビューディスプレー。ファーウェイが日本で発売するモデルとしては初めて前面カメラ用に穴が開いた「パンチホールディスプレー」が採用されており、画面占有率約91.7%を実現している。

 この約6.26インチのディスプレーにはFHD+(1080×2340ドット、412ppi)のTFT液晶パネルが採用されている。輝度や色域については公表されていないが、TFT液晶パネルとしては明るさや発色はかなり高いレベルだ。

 カメラは背面に広角カメラ(約4800万画素、ソニー製1/2型センサー、4-in-1ライトフュージョン、f/1.8)、超広角カメラ(約1600万画素、117度、f/2.2)、マクロカメラ(約200万画素、f/2.4)、被写界深度補助カメラ(約200万画素、f/2.4)、前面にセルフィ―カメラ(約3200万画素、3Dポートレート、f/2.0)が搭載されている。望遠カメラは採用されていないが最大10倍のデジタルズームで撮影可能だ。

 ボディーの右側面には指紋認証センサー一体型電源ボタンとボリュームボタン、左側面にはnanoSIMカードトレイ、下面にはUSB 2.0 Type-C端子を装備。バッテリーは約3750mAhを内蔵しており、付属の充電器を使用すれば約30分で約50%の充電が可能とのことだ。

左からクラッシュブルー、ミッドサマーパープル、ブラック

前面(左)にはセルフィ―カメラ、背面(右)には広角カメラ、超広角カメラ、マクロカメラ、被写界深度補助カメラが搭載されている。セルフィ―カメラはパンチホール部に内蔵されており、画面占有率約91.7%を実現している

本体上面(上)と本体下面(下)。本体下面にはUSB 2.0 Type-C端子を配置。3.5mmイヤフォンジャックは用意されていない

本体右側面(上)には指紋認証センサー一体型電源ボタンとボリュームボタン、本体左側面(下)にはnanoSIMカードトレイが配されている

これはグローバル版の同梱物一覧。日本版には本体、ACアダプター、USBケーブル (A to C)、USB-C to 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプター、SIMピン、クリアケース、クイックスタートガイド、保証書が同梱される

標準同梱されるTPU素材のクリアケース。裏側には貼り付き防止の細かい突起が設けられている

クリアケースをつけるまえ

クリアケースをつけてみた

これはグローバル版のACアダプターとUSBケーブル

グローバル版に付属するイヤフォン。日本版には代わりにUSB-C to 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプターが同梱される

画面上部のパンチホールは
存在を忘れるくらい気にならない

 本体サイズが約73.97×154.25×7.87mmの5Tは、手の長さが約20cmの筆者にとって余裕で握れるサイズだ。ただ表面、裏面ともにかなりすべるので、なんらかのケースを装着したほうが安心して使える。

 ディスプレー左上のパンチホールは最初邪魔だろうと予想していたが、実際に使ってみると存在を忘れるほど気にならない。OPPOがディスプレー埋め込み型カメラを開発しているが、おそらく最初に搭載されるのはフラッグシップモデル。ミドルレンジクラスのスマホで全画面ディスプレーを実現するなら、直近の最適解はパンチホールディスプレーだと思う。

 前述のとおり5TはmicroSDメモリーカードやNMカードでストレージを増量できないが、標準で128GB搭載しているので一般的な用途であればやりくりできる。たとえばアプリをだいたい64GBまでに収めて、それ以外の容量を写真や動画用として運用すれば、それほどひんぱんに写真や動画の整理に追われることはないはずだ。

手の長さが約20cmの筆者にとって5Tは余裕で握れるサイズだ

左端に寄せられたパンチホールは忘れてしまうほど存在感が小さい

microSDメモリーカードやNMカードでストレージを増量できないが、nanoSIMカードを2枚装着すればDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応。海外旅行にもってこいの端末だ

広角カメラの画質は申しぶんなし
マクロカメラは使いこなしが必要

 5Tには、広角カメラ、超広角カメラ、マクロカメラ、被写界深度補助カメラ、セルフィ―カメラの5つのカメラが搭載されている。Leicaブランドは冠されていないものの、これまで同社と共同開発して培われた技術が用いられているだけに、特に広角カメラの画質は申しぶんない。またビューティーモードは強力でありながら、その仕上がりは自然。筆者も自撮り専用に一台手元に持っておきたいと思わせるほどだ。

 超広角カメラ、マクロカメラの画質もサブカメラとしては十分なクオリティー。ただしマクロカメラは最適撮影距離4cmのパンフォーカス仕様なので、慣れるまでは少し距離を変えつつ複数枚シャッターを切っておくことをオススメする。

 10倍デジタルズームはさすがに10インチ越えのディスプレーではボケた印象は否めない。スマホのディスプレーで観賞したり、L版でプリントするためのモードだと割り切ろう。

右から超広角カメラ(約1600万画素、117度、f/2.2)、広角カメラ(約4800万画素、ソニー製1/2型センサー、4-in-1ライトフュージョン、f/1.8)、被写界深度補助カメラ(約200万画素、f/2.4)、LEDフラッシュ。被写界深度補助カメラの下にあるのがマクロカメラ(約200万画素、f/2.4)だ

広角カメラで撮影(画像情報: 3000x4000 (Jpeg,YUV,sRGB)、焦点距離: 4.75mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッター速度: 0.020s (1/50)、絞り: f/1.8、ISO感度: 400、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern)

広角カメラで撮影(画像情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV,sRGB)、焦点距離: 4.75mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッター速度: 0.010s (1/100)、絞り: f/2.4、ISO感度: 160、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern)

超広角カメラで撮影(画像情報: 4608x3456 (Jpeg,YUV,sRGB)、焦点距離: 2.23mm (35mm換算焦点距離: 17mm)、シャッター速度: 0.030s (1/33)、絞り: f/2.2、ISO感度: 250、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern)

マクロカメラで撮影(画像情報: 1600x1200 (Jpeg,YUV,sRGB)、焦点距離: 2.20mm (35mm換算焦点距離: 27mm)、シャッター速度: 0.010s (1/100)、絞り: f/2.4、ISO感度: 80、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern)

10倍デジタルズームで撮影(画像情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV,sRGB)、焦点距離: 4.75mm (35mm換算焦点距離: 260mm)、シャッター速度: 0.030s (1/33)、絞り: f/1.8、ISO感度: 500、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern)

夜景モードで撮影(画像情報: 4000x3000 (Jpeg,YUV,sRGB)、焦点距離: 4.75mm (35mm換算焦点距離: 26mm)、シャッター速度: 7.0s、絞り: f/1.8、ISO感度: 3200、露出モード: Program (auto)、測光方式: Pattern)

約2倍高価なROG Phone II比
約74%の処理性能を発揮

 パフォーマンスについては、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」、CPU/Open CLベンチマーク「Geekbench 5」、3Dベンチマーク「3DMark – The Gamers’s Benchmark」で計測を実施した。結果はAnTuTu Benchmarkの総合スコアが365897、Geekbench 5のCPUスコアが2366、3DMarkのSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1のスコアが4131という結果だった。

 11月22日時点の「AnTuTu Benchmark」のランキングを確認したところ、1位は「ROG Phone II」でスコアは496226。つまり5Tは1位のROG Phone IIの約74%のスコアということになる。とは言えROG Phone IIの価格は下位の512GBモデルでも10万5500円(税別)だ。約2倍の価格のROG Phone IIの約74%の処理性能を備えているわけだから、5Tのコストパフォーマンスは高い。

AnTuTu Benchmarkの総合スコアは365897、

Geekbench 5のCPUスコアは2366

3DMarkのSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1のスコアは4131

コスパを最重要視してAndroidスマホを選ぶ際の
最適な「物差し」となるマシンなのだ

 コストパフォーマンスを最重要視してAndroidスマホを選ぶのなら、本製品を「物差し」として検討することをお勧めする。ミドルレンジクラスの価格ながら、フラッグシップモデル級の処理性能とカメラ画質を備えた5Tは、まるでジャイアントキリングを体現したかのような端末だ。コストパフォーマンスにこだわるひとにゼッタイお勧めの一品なのである。

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