松村太郎の「"it"トレンド」

「探しもの」をなくすための3つの方法 (2/2)

文●松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII

2020年02月15日 09時00分

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AirPodsを探した時の話

 AirPodsは、2019年までの3年間に最も売れたBluetoothワイヤレスヘッドフォンで、筆者も毎日愛用しています。ゆえに、これがどこかに行ってしまうと、生活に非常に支障が出てしまいます。

 そのAirPodsが先日、見当たらなくなってしまって、筆者の嫌いな「探しもの」をしなければならなくなってしまいました。

 AirPodsにはBluetoothの機能は入っていますが、GPSはありません。いや、むしろケースに入れておいてくれてもいいのにと思うのですが。またイヤホンとして音はならせますが、Tileのようにスピーカーを持っているわけではないので、呼び出した時に「ここだよ!」と答えてもくれません。そもそも、蓋を閉じているときはOFFです。

 そのため、なくしてしまうと、前述の「2. 見つけるコツ」を活用しなければなりません。その方法は、過去の自分の行動をトレースすることです。最後に使った時点の場所や状況を思い出して、可能であればそれを「再現することです。

 AirPodsの場合、外に持ち出して使いますから、持ち出すツールはカバンやiPad用のスリーブなどに限られます。それを思い出すと、探す箇所が特定できます。ただ、いつもそれを覚えているかは別の話です。

 たとえば、とても疲れて帰ってきた日は、その日のことを整理する前に眠りについてしまうことだってあります。裏を返せば、その辺りのことを自動的に記録しておいてくれれば、前述の見つけるコツである「再現」がかなりしやすくなります。

 AirPodsでは、iPhoneなどに入っている「探す」(Find My)アプリで手がかりを見つけることができす。「探す」アプリはGPS内蔵デバイスの場合、現在地、あるいは最後にネットワークがつながっていた時の位置情報を調べることができます。

 この「最後にネットワークにつながっていた時」を拡大解釈した新機能として、GPSを持たないデバイスの位置情報も調べることができます。言い換えれば「ネットワークにつながっているデバイスに、最後に接続していた時」と言うべきでしょうか。

 iPhoneは常にネットワークにつながっていて、Bluetoothを介してAirPodsにつながります。つまり、最後にAirPodsがiPhoneと接続されていた場所を記録しておけば、それが「最後に使った場所」になるわけです。

 その機能を使うと、最後に使った場所は自宅になっていました。個人的には、最後に使った場所は空港から帰るバスの中だと思っていて、そこでなくしたんじゃないか、と青ざめていましたが、自宅であることがわかり、無事発見に至りました。

もうちょっとアシストして欲しい

 確かに「探す」アプリはAirPods発見時、自分の記憶の誤りに気づかせてくれて、行動の「再現」に役立ちました。しかし、個人的には、もっとテクノロジーで探し物をアシストしてほしいと思うのです。

 Tileの場合、音を頼りに探しものを発見します。Apple WatchからiPhoneを探す場合も、接続されているかどうかと、されていればWatchから音を鳴らせるため、やはり音が頼り、ということになります。

 しかしざわざわしているところ、あるいはカバンの奥底で何かに押し付けられていれば、音が鳴っても聞こえにくいですし、逆に静かなところなどは音が鳴らしにくいこともあります。あとは、視覚的なアシストの可能性を探って欲しいものです。

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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