松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップル新型MacBook Air、iPad Proはサプライズだらけ (3/3)

文●松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

2020年03月19日 07時00分

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●iPad ProはもはやARMベースのパソコンというレベルを超えた

 iPad Proは2018年10月にフルモデルチェンジを受け、TrueDepthカメラを備えた縁なし液晶、Liquid Retinaディスプレーとして登場しました。今回のiPad Proには最大輝度600ニト、最大120Hz駆動に対応するProMotion、高色域P3サポート、264ppiという仕様となりました。

 プロセッサはiPhone 11に搭載されたA13ベースではなく、A12Z Bionic。グラフィックスが8コアとなり、熱設計が改善されたことから、ピークパワーでの動作をより長く持続できるようになりました。

 本体背面にはiPhone 11と同じように、超広角カメラと広角カメラの2つのカメラシステムが用意され、MacBook Pro 16インチのような3マイクによるプロ品質のオーディオ録音もサポートしています。

 さらに、カメラモジュールにはLiDAR(Light Detection and Ranging)スキャナーが搭載され、屋外、室内問わず、5mまでの物体までの距離を正確に計測することができるようになりました。

 完全に「ARオーサリングの現場で唯一活躍できる必携ツール」というポジションを獲得したと言って良いでしょう。

 加えて、サプライズとなったのがMagic Keyboardとトラックパッドを備えたiPad Pro向けアクセサリ。1mmストロークのキーボードを備え、iPadは磁石で浮かせて固定、角度を自由に変えられる不思議な仕組みです。横から見るとiMacのような姿になっている点もユニークです。

 iPad Pro向けにはカメラ部分が変更されたSmart Keyboard Folioも用意されていますが、多くの人はMagic Keyboardを手に入れたいのではないでしょうか。こちらは5月に登場し、11インチモデルで3万1800円、12.9インチ用で3万7800円です。

 トラックパッドのサポートは、iPad Proが登場する3月25日までにiPadOS 13.4がリリースされます。単にカーソルが登場するだけでなく、アプリのコンテキストに合わせた動作をするようで、こちらの使い勝手もPCやMacとは異なるものになりそうです。

 それぞれ2機種とも、追ってレビューをお届けしたいと思います。

 

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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