■auユーザー優遇の「ステージ制」も同時進行
キャリアを問わず使えるオープン化が進む一方、auユーザーにとっては面白くない状況でもあります。10億円還元のキャンペーンに対しても、「スマホ料金を下げるなど、もっとauユーザーに還元してほしい」という声はありました。
そこでKDDIが用意しているのが、ステージ制の「auポイントプログラム」です。auのスマホやau PAYを利用すればするほどステージが上がる仕組みで、4段階のうち最上位のプラチナステージでは、au PAYマーケットのPontaポイント還元率が5%に上がります。
ほかにも毎月3回の「三太郎の日」にはauのサービス利用者向けのキャンペーンを打つなど、さまざまな形で差別化しています。KDDIは「オープン化」と「ステージ制」でバランスを取りながら、auユーザーとそれ以外に向けて還元率を絶妙なラインに調整することで収益を最大化しようとしています。
ユーザー視点では、還元率に注目しながら他社のポイントプログラムと合わせて使っていくことになるでしょう。KDDIは今後の還元策として、毎週10億円のような派手なものではなく、より生活に密着した方向性を打ち出しています。効率的にポイントを貯めるため、ステージ制の仕組みに乗るかどうかが悩ましいところです。