米政府はファーウェイに次の一手を仕掛けるか?
当のファーウェイも相変わらずニュースが絶えない。
米政府は5月、禁輸措置を強化して米国以外の企業に対しても米国の製造措置を使って製造する場合はライセンスを得る必要があるとしていた。そして6月15日、米商務省は標準化策定でファーウェイと協業することを認めると発表した。
「米国は世界規模のイノベーションにおけるリーダーシップを譲り渡すことはない」と宣言しつつ、今回の発表は、米国企業が安心して標準化活動に参加できるようにするものと念を押す。つまり、制裁を緩める類のものではないということだ。ファーウェイは5Gを始め、さまざまな標準化活動に参加しており、米国企業がこれらの活動に加わらないと、次世代の技術開発に参加できなくなる。それを配慮しての新しいルールという。
その後、今度は国防省が作成したという中国人民解放軍の支援を受けている中国企業リストがリークした。モバイルキャリアのチャイナ・テレコム、チャイナ・モバイル、監視カメラのハイクビジョンなどと並んでファーウェイの名前もある。これがどのような展開になるのかはまだわからない。
英国では、10億ポンドを投じてケンブリッジに設けるファーウェイの研究開発センターに承認が下りた。光エレクトロニクスの研究開発センターという。英政府のファーウェイに対する見方にどのような影響を与えるのかはわからないが、ファーウェイのグローバルアピールにはつながりそうだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている