冒頭でお伝えしたとおり、ドローンは200g未満の機種であっても、飛行する際にはその土地の所有者、管理者の許可が必要となる。そこで今回は知人の第2金井山(所有者:金井健氏)を借用して、Mavic Air 2での飛行、撮影を試してみた。
さて、まずは機体の運動性能だが、これは筆者のようなアマチュアドローン愛好家にはオーバースペックだ。Mavic Air 2はスポーツモードで19m/s、ノーマルモードで12m/sで飛行可能だが、スポーツモードはよほど広い場所でなければ怖いぐらいのスピードだ。なお、スポーツモードでは障害物検知機能が無効化されるので衝突にはくれぐれも注意してほしい。
↑ スポーツモードの飛行例。ちょっとしたスーパーヒーロー気分が味わえる
映画のようなカメラワークで自動撮影してくれる「クイックショット」機能には、被写体を中心に上昇する「ロケット」、被写体を中心に回転する「サークル」、被写体から斜め上に遠ざかる「ドローニー」、うずまき上に被写体から離れていく「ヘリックス」、うずまき上に被写体から離れてから再び近付いていく「ブーメラン」、離れつつ景色を小惑星のように丸くする「アステロイド」などが用意されているが、これらを実行するためにはかなり広いスペースが必要。今回はドローニーのみを試したので、ほかのクイックショットについては製品公式サイトの動画で確認してほしい。
↑ ドローニーは1方向が開けていれば実行可能な比較的ハードルの低いクイックショットだ
今回試用していて、最も実戦的だなと感じたのが「フォーカストラック」。被写体をロックオンして自由に飛行できる「Spotlight 2.0」、障害物を避けながら被写体を追いかけて撮影し続ける「ActiveTrack 3.0」、動いている被写体でも中心に収めつつ周回するPOI「(Point of Interest) 3.0」と、プロ並みの空撮映像を可能にする機能が搭載されている。今回はあまり凝った撮影ができなかったが、機会があればバイク、4輪バギー、高速ボートなどを追いかけるような撮影を試してみたいところだ。
ActiveTrack 3.0をスタートさせたら、あとはコントローラーの操作はいっさい必要ない
↑ POI(Point of Interest) 3.0は平面認識の精度が改善され、動いている被写体もフレームに収め続けてくれる
48MPの解像感に驚愕、
4K/60fpsの動画は圧倒的アドバンテージ
画質についてはやはり48MPの解像感に驚かされた。最近のスマホは48MP解像度のカメラを搭載している機種が増えているが、それと同等のカメラで(許可を取れば)最大500mの超々高度から撮影できるのだから楽しすぎる。
そして、改めて4K/60fpsの動画撮影機能が圧倒的アドバンテージと実感した。最大動画解像度は、Mavic Miniが2.7K/30fps、Mavic 2 Proが4K/30fps。個人的には解像度が高くても、フレームレートが低ければ魅力は半減すると思う。動画撮影が主目的なら3機種のなかの最有力候補はどう考えてもMavic Air 2だ。
↑ 4Kの解像感だけではなく、60fpsの滑らかさに驚かされる。筆者が4K動画を撮るなら迷わずMavic Air 2を相棒に選ぶ
コストパフォーマンスは
Mavicシリーズ随一だ
ビジョンセンサーの数や運動性能、カメラのイメージセンサーのサイズなどハードウェアスペック的には上位モデルと差別化が図られているMavic Air 2だが、最大写真解像度、動画のフレームレート、最大伝送距離などなど、一部機能については格上のMavic 2 Proに下剋上を果たしている。それでいて価格は約53%なのだからコストパフォーマンスは抜群だ。いまはまだドローンに厳しい社会情勢だが、万難を排して飛行場所を確保、または探索し、なにがなんでも空撮を堪能したくなる一台なのである。