ASCII Power Review

EOS R6 実機レビュー = 超高バランスでフルサイズのお手本カメラだ!!

文●写真 岡田清孝 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2020年09月25日 13時30分

 撮像素子は2010万画素で、4500万画素の「R5」はもちろん、最近のスタンダードなフルサイズ機と比べても少し画素数は控えめである。しかし実際に撮影した画像を見ると、細部の精細感に不満を感じることは無い。

 また高画素機より画素ピッチに余裕があるためか、階調が豊富で質感の再現が滑らかだ。さらに明暗差の調子にも粘りがあり、白とびや黒つぶれが少ない。2010万画素の解像度があればインクジェットプリンターならA2判、商業印刷でもA3判までは難なく使用できる。

 もちろん高解像度機ならそれ以上のサイズの印刷や、画面の一部を切り取り拡大するといったメリットがあることも理解しているが、この優れた階調を見ると、現在のフルサイズでは2000万画素クラスの撮像素子が、もっともバランスの良い画質なのではと思えてくるほど良いのだ。

石造のような硬質な被写体でも柔らかく描写され、おかげで質感が忠実に再現されている。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF5・シャッタースピード1/1600秒。ISO感度ISO1600・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

シャープネスを強調しすぎない絵作りなので、滑らかに描写される階調が好印象だ。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/30秒。ISO感度ISO1600・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

遠景でも細部の精細感は満足できる。木々の影から薄曇り空まで幅広く明暗を再現している。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF8・シャッタースピード1/250 秒。ISO感度ISO100・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

街灯のように極端な明暗差がある状況でも白とびや黒つぶれせずに写っている。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/160秒。ISO感度ISO4 00・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

雨上がりに草木。水滴のみずみずしさ伝わってくる。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/160秒。ISO感度ISO400・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

花びらの微妙な色彩が再現され、階調の豊富さが伝わってくれる。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF6.3・シャッタースピード1/250秒。ISO感度ISO100・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

偶然したたり下りる水滴が写っていて、得した気分になれた。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/640秒。ISO感度ISO6400・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

 AFのレスポンスは体感的には「R5」とほぼ同等に感じられる。シャッター半押しと同時に瞬時に合焦してくれるのが気持ちいい。人物の顔認識AFにくわえ、動物認識AFも搭載されていが、AF測距モードがオートのときだけ動作する機能なのは残念だ。

動物認識AFで撮影、これだけアップなら鳥の目にしっかりとピントが合う。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/125秒。ISO感度ISO100・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

やや離れた位置にいる鳥を動物認識AFで狙ってみたが、被写体がこのサイズだと認識したりしなかったり。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/800秒。ISO感度ISO200・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

 -6.5EV対応と、暗所でのAF性能も優れているが、今回使用したキットレンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」の望遠側は開放F値がF7.1と暗いため、実際に暗所で撮影してみると、かなり合焦がのんびりだった(それでもしっかりピント合う)。

 暗所AF性能を最大に活かしたいのなら、開放F値が明るいレンズを使用したほうがよさそうだ。

夜の公園で突然野良猫に遭遇。かなり暗いのでAFが手間取ったが、ありがたいことに、その間待っていてくれた。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/30秒。ISO感度ISO25600・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

 高速連写性能もメカシャッターで秒12コマ、電子シャッターでは秒20コマで、「R5」と同じスペックである。動体へのAFの食い付きや、電子シャッターの歪みの少なさも差はない。

 こうしてみると4500万画素の高解像度機でありながら2010万画素のスタンダード機と同等という「R5」の高速連写性能が突出していることを改めて実感した。

近づく電車を連写で撮影。ほぼ完璧にピントを合わせ続けてくれた。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/2000秒。ISO感度ISO1600・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード・×1.6クロップ。

階調の豊かさに加え、手振れ補正の効きも上で
R6を選ぶのはアリなのだ

 高感度での画質も優秀で、最高感度は常用でISO102400、拡張でISO204800までと、「R5」と比べて1EV高く設定されている。実際に撮影した画質を見てもISO6400までノイズレスで、高感度であることを感じさせない。

 ISO25600で画質劣化が感じられるが、十分実用できる範囲だ。またノイズ処理も素晴らしく、ノイズ除去と解像感保持のバランスが絶妙である。基本的にはノイズ処理設定は標準のままで問題ない。

メカシャッター

電子シャッター
メカシャッターと電子シャッターの動体歪みの比較。「R5」と同様に電子シャッターでも歪みは比較的少ない。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF9・シャッタースピード1/2000秒。ISO感度ISO12800・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード。

感度別に撮影した画像の一部を拡大して比較。左上からISO3200・ISO6400・ISO12800・ISO25600。ISO51200・ISO102400。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF5.6・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード・ノイズ処理標準。

ISO25600で撮影、ノイズが目立たないだけではなく、解像感もしっかりと保持されているの。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/30秒。ISO感度ISO25600・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード・ノイズ処理標準。

ISO25600で撮影。細かく彫り込んだ彫刻の柄がクリアに解像され、高感度で撮影したとは思えない画質。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF7.1・シャッタースピード1/30秒。ISO感度ISO25600・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード・ノイズ処理標準。

 ボディー内手ブレ補正の効果も最大8段分と「R5」と同等、しかし実際に撮ってみると、「R6」のほうが効果は高いように感じた。

 おそらく画素数が控えめなぶんブレが目立ちにくいようで、キットレンズの望遠側105㎜でも遠景なら1秒のスローシャッターでもブレが目立たなかった。

歩道橋の上から105mの望遠で撮影。人通りが多いため歩道橋自体もかなり揺れていたが、1秒のスローシャッターでも、それほどブレは目立たない。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」・絞りF11・シャッタースピード1秒。ISO感度ISO100・ホワイトバランス オート・ピクチャースタイル スタンダード

 動画機能は「R5」が8K30Pや4K120Pというズバ抜けたスペックなのに対し、「R6」は4K60P と標準的(十分高いのだが)。

 今回実際「R6」で撮影してみて、画質や軽快な操作に大満足できた。とくかくハイスペックが欲しいというのなら、やはり「R5」を選んだほうがいいかもしれない。しかし日常的に写真を楽しむのなら、個人的には「R6」のほうがオススメという結論だ。

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