●Macの「移動母艦」復権
筆者は2016年に9.7インチiPad Proを手に入れてから、モバイルの基本は「iPad Pro」という生活を続けてきました。
現在も2018年モデルのiPad Pro 12.9インチをどこへでも持ち歩き、アクセサリのMagic Keyboardで快適なタイピング環境を確保しながら、多くの仕事をこなしてきました。バッテリー持続時間と、SIMカードによって単体でネット接続できるデバイスは、格好の仕事道具だったのです。
そのため、Adobeのように、クリエイティブアプリのiPadシフトが進んでいくことはとても歓迎すべきことで、デジタルカメラで撮影した写真をすぐにLightroomで編集したり、Adobe Premiere Rushでビデオ編集を行なったり。2020年にはついにIllustratorまでiPadにやってきました。
ここ5年ほど、iPadに傾倒していた理由は、Macではバッテリーが心配で自由さに欠け、ビデオに関しては処理性能に不安があったからです。ましてやバッテリー駆動でビデオ編集なんて……。
とはいえMacも必要だということで、2012年モデルのMacBook Pro 15インチからサイズダウンし、2016年の13インチMacBook Proにのりかえました。ちょうどアップルが、ユーザーからMac軽視の批判を浴び、ビデオ編集を行うクリエイターがこぞってWindowsに乗り換えたタイミングと重なります。
こうして、出張にもMacを持ち運ばなくなり、データもクラウドへの保存が中心となったため、「母艦」としてのMacの地位は、我が家では失墜しました。
その地位を取り戻したのが、M1搭載のMacBook Proだったのです。