●資金力の差がブランド認知に影響
LGエレクトロニクスのスマートフォン事業を振り返ってみると、やはり個性を出しきれなかったのが敗因のように思う。
サムスン電子は、LGエレクトロニクスに比べて企業の規模も大きく、オリンピック・パラリンピックのスポンサーになりつつ、知名度を上げて、世界でGalaxyを売りまくっていた。実はサムスン電子は1998年の長野冬季オリンピック・パラリンピックから公式スポンサーとなっており、さらに契約を2028年まで延長している。
一方、LGエレクトロニクスもF1で公式スポンサーとなり、テレビ中継でロゴや公式タイム計測システムに表示されていたが、5年で終了していた。
資金力の差が、結果としてブランド認知に影響を及ぼしているのだ。
かつて、スマートフォンの販売シェアにおいて、1位がサムスン電子、2位がアップル、3位がLGエレクトロニクスということがあったが、調査会社のGartnerが今年2月22日に発表した、2020年代の世界におけるスマートフォン市場に関する調査結果によれば、1位サムスン、2位アップル、3位ファーウェイ、4位シャオミ、5位OPPOとなり、LGエレクトロニクスは見る影もない。
ファーウェイは直近となる2020年第4四半期(10~12月)においては5位まで転落しており、Androidアプリを搭載できない影響が出ている模様だ。
いずれにしても、安価で高性能なスマホで販売台数を伸ばす中国メーカー勢にLGエレクトロニクスは歯が立たなかったということだ。