自社ブランドで勝負したかった
そもそも、ライカはなぜスマートフォン市場に参入してきたのだろうか。
モバイルサービス グローバル・ディレクターのジェーン・ツイ氏は「ライカは最近では中国・ファーウェイと組んできた。ファーウェイとの協業はうまくいった。ライカとしてはスマートフォンの市場でどういったカメラや画質が求められているのかを学んできたが、いつか、自社ブランドで出してみたいと考えを温めてきた」と語る。
スマートフォンメーカーとすれば、ライカに技術協力をしてもらい、アドバイスをもらうことで、カメラの画質を上げることができ、さらに「ライカお墨付き」というイメージもつけることができてきた。
一方で、スマートフォンを使っているユーザーとすれば、ライカを知っている人はもちろんのこと、ライカを知らない人も「ライカというブランドがあるとカメラの画質がいい」という認知も広がりつつあった。
特に、かつては世界でトップシェアを奪いそうな勢いがあったファーウェイとタッグを組んだことで、ライカの名前がスマートフォンユーザーにさらに広まったといえるだろう。
ツイ氏は「いま、スマートフォンをカメラデバイスとして使っている人が増えている。もはや、スマートフォンはカメラの一部のカテゴリーと言える。写真を撮るという点においてはスマートフォンとカメラの垣根がなくなっている。それであれば、自社ブランドで勝負したいという気持ちになってきたのが参入した理由の一つと言える」という。