前モデルと大きな差はないが
価格も大きく変わらなかったiPhone 14

　iPhone 14が発表された。以前から噂されていたようにminiはなくなり、その代わりに6.7型ディスプレーのPlusが追加された。結果として、無印、Plus、Pro、Pro Maxという顔揃えとなった。特に、無印とPlusは13シリーズと同じプロセッサーで、代替わりした感じがしないが、各社から発売されるスマートデバイスの値上がりが目立つ中で価格も大きくは変わっていない。

iPhone 14

　iPhoneはずっと、コモディティ化するスマートフォン群の中で、あくまでも差別化された付加価値を持つ機器として君臨し続けることを目指してきた。今までは、どちらかといえば、「iPhoneだから当たり前でしょ」的な存在感で押し切ってきた。でも、世界的な物価上昇、日本なら急激な円安、戦争の不安、そしてコロナと、世の中全体は決して安泰ではない。ハイエンドのスマートフォンにみんなが飛びつく理由がどこにも見当たらない状況だ。かといって妥協したiPhoneは愛されない。悩みどころだ。

しがらみが多くなってきたiPhone

　それでも14シリーズは出さなければが何か言われる。それが売れなければやはり何か言われる。あまりにも多くのしがらみが今のiPhoneを取り巻いている。本当は1年休みを言いたいけれど、それができないiPhone。だから、そっと13を14と呼ぶことにした。でも、いちばんホッとしているのは、毎年、買い替えてきたコアなiPhoneファンなのではあるまいか………。

筆者紹介─山田祥平

著者近影 山田祥平

　フリーランスライター＆ディレクター。ASCII.jpをはじめ、PC Watch、マイナビニュース、夕刊フジなどに寄稿。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者でもある。