ASCII Power Review

デジタル手振れ補正で最強のVLOGカメラだ!「Osmo Action 3」実機レビュー

文●写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2022年09月14日 21時00分

 まずは4K120fpsの車載動画からご覧いただこう。120fpsとフレーム数が多いだけに、景色が非常に滑らかに流れていく。また解像感も4Kならではの精細さだ。木の影の下を通ったときも、露出がすぐに復帰している。色温度センサーが効果を発揮しているのか、発色も自然だ。なお、動画の31秒時点と1分時点で一瞬画面が明るくなっているが、これは動画を編集する際に「ディゾルブ」でつないでいるため。実際の録画データではこのような現象は発生していない。

【4K120fpsRockSteady車載動画】

 今回はあまり撮影しなかったが、「縦向き撮影」は非常にお手軽。Osmo Action 3の持ち方を変えれば、まるでスマホのように縦向き、横向きに画面が切り替わる。縦向き動画が主流のSNSに投稿する動画を撮影する際には、重宝することだろう。

【4K60fps縦位置動画】

 RockSteady 3.0、HorizonBalancing、HorizonSteadyの電子式手ブレ補正は強力、かつ自然。強力な手ブレ補正モードになるほど、解像度とフレームレートの制限は厳しくなる。しかし、過激なアクティビティーの決定的瞬間を撮影するなら、HorizonSteady の最大2.7K(16:9)/60fpsで十分。今回は試せなかったが、機会があれば「Osmo Action 3 防水ケース」(税込み価格8910円)などに入れて、サバイバルゲームに持ち込み、FPS動画などを撮影してみたいと思う。

【手ブレ補正システム】

 一方、ちょっと惜しいなと感じたのが暗所撮影性能。明るく撮影できるのはいいが、強い光源の白飛びが顕著。また暗部のノイズも多めだ。昼間の撮影では見受けられなかった、RockSteady 3.0利用時の細かな映像の揺れも気になった。アクションカメラで撮影すべきシチュエーションではないのかもしれないが、今後改善されることに期待したい。

【4K120fpsRockSteady夜間撮影】

 実は筆者は前モデルのDJI Action 2を個人的に購入しており、過熱による録画停止に悩まされていた。そこで今回、Osmo Action 3でどのくらい連続で録画できるか試してみたところ、下記のような結果となった。

●モード別の連続録画可能時間
4K/60fps/手ブレ補正なし(室温25.6℃の室内)
1時間22分52秒
4K/60fps/RockSteady 3.0(車内ダッシュボード)
29分23秒
4K/120fps/RockSteady 3.0(車内ダッシュボード)
20分21秒

「4K/60fps/手ブレ補正なし(室内)」では、1時間22分52秒でバッテリーが切れて、録画が終了したので、DJIのプレスリリースに書かれている「多くのアクションカメラでよく見られる過熱問題を解消しています」という文言が正しいと証明できたことになる。

 ただし、車内のダッシュボードに設置し、RockSteady 3.0を有効にすると、連続録画時間は大幅に短くなった。フレームレートを上げるとさらに短くなる。デバイスが高温になるとディスプレーを消して発熱を抑える制御が加えられているので、ある程度の猶予はある。しかし、端末の温度が上昇しやすい状況では、録画時の設定に気を配る必要はありそうだ。

デバイスが高温になると、まずディスプレーが消灯される

ディスプレーが消えても左上のLEDが赤く点滅するので、録画が継続していることがわかる(※同乗者が撮影)

さらにデバイスが高温になると、ディスプレーが点灯し、録画が自動的に停止する

室温25.6℃の室内で4K/60fps/手ブレ補正なしで撮影していても、表面温度は最大53.9℃まで上昇した。ただし、このままバッテリーが切れるまで正常に録画が継続されたので、53.9℃の表面温度は許容範囲ということなのだろう

スノーアクティビティーのシーズンにピッタリのアクションカメラだ

 個人的には、DJI Action 2の「カメラユニット」と「フロントタッチ画面モジュール」で構成されたマグネット着脱式システム自体は気に入っていたが、さすがにあのサイズで4K/120fpsで長時間撮影するのは放熱的に厳しいのだろう。

 そこでOsmo Action 3ではアクションカメラの標準的なサイズに戻ったわけだが、そのおかげで実用度は増している。

 また独自のクイックリリースは、耐衝撃性を向上させたうえで継承。夜間撮影の画質には改善の余地はあるが、ある程度の光量があれば解像度も発色も十分満足いくレベルだ。

 過熱問題が完全に解消されたとは言えないが、ディスプレーを消したあと、録画を継続するという制御を入れて使い勝手は向上している。-20℃の耐寒性を売りにしている本製品は、これからのスノーアクティビティーのシーズンにピッタリのアクションカメラと言えそうだ。

 

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング