モバイル業界に対して規制ラッシュ(?)のEU
モバイルに関連したEUの動きとして、モバイルデバイスのサポート期間や修理可能期間を設定することを求める法案が進行中だ。
この法案は、EUが「Circular Economy Action Plan 2020」のもとで進める電子廃棄物削減の取り組みの一部となる。EUは新品で製品を購入したユーザーが修理できるよう、最低でも15の部品をサービスセンターで提供することを求める。期間は5年。ソフトウェアでも5年間、継続的にアップデートを受けられるように要求する(3年のメジャーアップデート、5年のセキュリティアップデート)。
法案は現在、ドラフト公開に合わせたフィードバック期間にあり、年内にECによる規制案提出の運びとなる予定だ。
以前本連載(「iPhoneをついにUSB-C化させる!? EUで可決された「RED」とは」)で紹介したスマートフォンなどのモバイル端末の充電端子を「USB-C」に統一する規制については、2024年秋に施行に入ることになっている。
これだけではない。グーグルやアップル、メタ(旧Facebook)などがいずれも影響を受けると思われる、デジタルプラットフォームで支配的な力を持つ企業を規制する「Digital Market Act」(デジタル市場法)も進行中だ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている