5月11日に発売したグーグルPixelスマホの廉価モデルの新製品「Pixel 7a」。価格は「Pixel 6a」から若干上昇の6万2700円ながら、ハードウェアが強化され、コスパ的には大幅に良くなったとも言える。ASCII.jpではすでに特集内で複数のレビュー記事を掲載しているので合わせて見てほしいが、本記事ではあらためて従来モデルとのスペック比較、外観を中心に見ていこう。

注目の高コスパモデル「Pixel 7a」が登場

コンセプトはPixel 6aと同じも
カメラ、メモリー、ディスプレーが強化されている

　まず、本機のコンセプトはPixel 6aと基本的に同じと言える。Pixel 7や新発表の「Pixel Fold」と同様の、グーグル独自開発の「Google Tensor G2」を搭載。Antutu 9のスコアは70万点台とハイエンドのSnapdragonと比べた場合は見劣りするものの、大半のミドル機には上回る性能を誇る。メインメモリーもPixel 6aの6GBに対し、8GBに強化。日常的な操作はミドルクラスと一線を画す、快適な使い心地だ。

左がPixel 7aで、右がPixel 6a。Tensor G2ではAI周りの進化が中心でAntutu 9のスコアでは大きな差が出ないようだ

デザインもPixel 6からのイメージを踏襲している

　強化されたポイントとして、まず挙げられるのがカメラ。Pixel 6aでは1220万画素＋超広角の1200万画素という構成で、メインカメラのセンサーは1/2.55型と最近のミドルクラスの中でも見劣りする旧型のものだった。しかし、高性能SoCとグーグル製ソフトウェアによる高度な画像処理でそれを克服していた。

カメラはセンサーが大型化されるなど、ハードウェア的にも進化している

　ところがPixel 7aでは、センサー自体も6400万画素の1/1.73型になり、同色の画素を2×2ずつ配置するクアッドベイヤー配列で暗所での強さもアピールしている。特に夜景モードでは撮影速度も高速化しているという。ちなみに、Pixel 7は1/1.31型の5000万画素とさらにワンランク上となっている。Pixelシリーズは超解像ズームにも定評があるが、こちらも引き続き最大8倍まで対応している。

　もう1つ大きい進化がディスプレー。サイズは6.1型有機EL（20：9、1080×2400）で変わらないが、リフレッシュレートは前モデルの60Hzから90Hzに強化。120Hz対応機との差は感じるが、高性能SoCとの組み合わせで比較的滑らかな表示が実現されている。

Coralのカラバリが魅力的
ドコモ5Gの4.5GHz帯もついにサポートした！

　デザイン面では、Pixel 6シリーズ以降のスタイルを継承。ミドルクラスながら高級感もある。なお、カメラの出っ張りは少なめだが、そもそも本体が9mmとあまり薄くない。重量も約193.5gと、約178gのPixel 6aからは重くなっており、数少ないマイナス点だろう。ただ、カラバリが白（Snow）と黒（Charcoal）以外に、爽やかな青（Sea）、印象的な赤（Coral）が加わったのはうれしい限りだ。

カラバリは4色用意されている

左から、Pixel 7、Pixel 6a、Pixel 7a

Pixel 7（左）との比較。出っ張りは少なめ

Pixel 6a（左）とでは差が小さい

純正ケースは4900円

　そのほかでは上位モデルと同様にワイヤレス充電をサポート。ただし、リバースチャージには対応していないようだ。また生体認証ではPixel 7から追加の顔認証をサポート（マスク着用時は不可）。また、画面内指紋認証は引き続き光学式。保護フィルムを選ぶ際はその点を意識した方がいいかもしれない。

　最後にネットワーク面。ドコモでの取り扱いが開始され、ドコモ5Gの4.5GHz帯（n79）もサポートされた。ネットワークへの最適化という部分でも期待ができる。格安SIMを含む、ドコモ系SIMのユーザーにはうれしい点だろう。

SIMスロットは最近のPixelシリーズと同様にnanoSIM＋eSIM

　安価なのに性能が高いのはもちろん、カメラ、ディスプレーのリフレッシュレート、ネットワーク対応と前モデルの弱点もカバーされたPixel 7a。コスパという意味では間違いがなく、広いユーザーに勧められそうな1台と言える。