Google Healthアプリに統合されたAIコーチ
新しいGoogle Healthアプリは、情報の見やすさとGeminiの活用において上手に設計されていると感じます。
Fitbit Premium時代から引き継がれた、プロのトレーナーによるビデオ付きワークアウトコンテンツが豊富に揃っており、自宅で実践するエクササイズを応援してくれます。
Google Healthアプリにはコーチによる実演解説付きの動画ワークアウトコンテンツや、一部ワークアウトの自動記録、そしてGeminiがユーザーに最適なカスタムワークアウトを生成してくれる機能が揃っています
エコシステムの設計として、歩数や心拍、睡眠などのヘルスケアのための管理機能と、ワークアウトの記録を目的とするフィットネス機能が1つのアプリ内に統合されている点が高く評価できます。それぞれのデータがひとつのアプリ内に統合されていることで、Geminiが複数のデータを横断的に分析しやすくなっているからです。
たとえば「昨晩の睡眠履歴(スコアが低く、途中で何度も目が覚めているなど)を分析したうえで、今日の体調に合わせた、朝の活力を高めるための軽めのワークアウトを提案する」といった、データの因果関係に基づいてパーソナライズされたアドバイスを、AIコーチが授けてくれます。
【まとめ】ユーザーの行動を促すパートナー
スマートグラスは連携もあるか?
Google Fitbit Airは画面を持たないフィットネス・アクティビティトラッカーとして、とても完成度の高い製品だと思います。計測機能が充実しているだけでなく、ポータビリティや装着感がよくできているので、身に着けたくなる楽しさと心地よさがあります。
Google Healthのプラットフォームに刷新されたことは、今秋に予想されるグーグルの新製品群によるエコシステムの拡大を予感させるものです。GeminiによるAIコーチングやワークアウト生成機能は、フィットネスバンドの価値を記録用途から、行動を促すパートナーに変容させます。
最後に、グーグルが先月の開発者会議で発表したAndroid XR搭載スマートグラスとFitbit Airの関係性について、筆者の個人的な期待を込めた考察を加えたいと思います。
グーグルは今秋以降にAndroid XRに対応する新しいスマートグラスを、商品として発売することを明らかにしています。筆者もGoogle I/Oでプロトタイプモデルを試しましたが、本体の操作がGeminiに話しかけるか、フレームのタッチ操作、または小さなボタンのクリック操作に限られます。
スマートグラスの操作において、フレームを何度も触るのは、その都度顔に振動が伝わってくるので快適さに難ありです。音声操作は、これが適さない環境や場面があります。
そこで、Fitbit Airの出番です。本機には3軸加速度計とジャイロスコープ、そしてBluetooth 5.0が搭載されています。つまり手首の動きや向き、タップのような衝撃を検知するハードウェア要件を満たしています。
「手首を軽くひねる」「デバイスを2回タップする」などのジェスチャーをFitbit Airで検知し、スマートグラスの操作に置き換えることができれば、周囲から目立たない自然な操作体系が構築できます。これにより、Fitbit Airは健康管理デバイスの枠を超え、外部デバイスのリモコンとしても機能する可能性を示唆しています。
グーグルがこの秋に発売を予定しているスマートグラス。本体に触れたりマイクに話しかけるだけでなく、Fitbit Airのような軽くコンパクトなウェアラブルデバイスからの操作にも対応してくれれば、とても便利で画期的です
Metaが先に示した、Meta Ray-Ban Displayを手首に装着するNeural Bandによるジェスチャーで直感的に操作するようなデバイス連携を、グーグルならばどう料理するのか興味があります。GeminiやAndroidエコシステムとの深い連携により、グーグルのフィットネストラッカーがこれまでにない独自の体験価値を生み出すことも期待されます。

筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。


























