混雑した場所でスマホが遅い問題に
ソフトバンクが出した答え
駅のホームやイベント会場で、スマホの画面がなかなか読み込まれない。アンテナはしっかり立っているのに、地図アプリもSNSも固まったまま。都市部でスマホを使う人なら、誰もが一度は経験しているはずだ。原因の多くは、1つの基地局に大勢のスマホが同時につながり、通信の「通り道」を奪い合っていることにある。
この長年の課題に、ソフトバンクは「Fast Access」というサービスを始めた。混雑した場所でも優先的に電波を使えるようにするというものなのだが、実際にどこまで効果があるのか。都内の複数地点で、FastAccess対応回線と非対応回線を並べて測定してみた。
FastAccessとはどんなサービスか
FastAccessは、条件を満たしたユーザーの5Gデータ通信に、ほかのユーザーより多くの無線リソースを割り当てるサービスだ。基地局が混雑している状況でも、より多くの電波帯域を使えるため、速度が落ちにくくなる。ソフトバンクによれば、舞浜駅やユニバーサルシティ駅では従来の2倍以上の通信速度を確認したという。
利用するには、5G SAに対応したスマートフォンと5G SA対応SIMが必要になる。ただし、効果が出るのは5G SAエリアだけではない。5Gエリアであれば効果が期待できるという点は覚えておきたい。
対象となる料金プランは、ペイトク2、テイガク無制限、ペイトク無制限、ペイトク50、ペイトク30、メリハリ無制限+の6つだ。ペイトク2とテイガク無制限は申し込み不要で自動的に適用される。残りの4プランは、My SoftBankかソフトバンクショップでの申し込みが必要だ。
追加料金はかからないので、対象プランのユーザーは忘れずに申し込んでおきたい。なお、FastAccessを利用していても、プランごとに定められた速度制御は通常どおり適用される。
都内を回って実測してみた
テストでは、FastAccess対応回線と非対応回線の2台のスマートフォンを用意した。同じ場所、同じ時間に並べて、スピードテストアプリで下り・上りの速度を測った(後半2ヵ所はNetflixが提供する「FAST.com」で計測)。測定地点は人が集まりやすい場所や、お昼のビジネス街など合計6ヵ所。具体的には神谷町、虎ノ門、紀尾井町、渋谷、秋葉原、竹芝だ。時間帯は混雑が予想されるお昼と夕方を中心に選んだ。
最初に計測した神谷町では、FastAccess対応回線が下り19.1Mbps、上り5.0Mbpsだった。非対応回線は下り9.8Mbps、上り1.98Mbpsにとどまった。周囲の人出を考えると、FastAccessの効果がはっきり出た結果といえる。
虎ノ門と渋谷でも、FastAccess対応回線が非対応回線を上回った。特に渋谷ではそもそもの速度が爆速で、FastAccessだとさらに快適といった印象。ウェブページの表示や動画の読み込みでも体感できるほどの違いがあった。また、極端な差が出たのが以下の秋葉原と竹芝の2ヵ所だ。
非対応回線のほうが速い場面もあった
ただし、すべての計測でFastAccessが勝ったわけではない。紀尾井町では、下り/上りで非対応回線のほうが速い結果が一度出た(そもそもの速度が遅いが)。複数回の平均ではFastAccess対応回線が上回ったものの、1回ごとの計測では逆転することもあった。
理由としては、2台がつながっている基地局や周波数帯が違っていた可能性が考えられる。基地局が密に設置されている場所では、FastAccessの有無よりも、どの基地局のどの電波をつかむかのほうが速度に大きく影響する。FastAccessはあくまで「同じ基地局の中で優先される」仕組みなので、つながる電波そのものが違えば前述の結果のように逆転することもありうる。
【まとめ】混雑時の「安定感」こそFastAccessの価値
今回のテストでは、どの地点でもFastAccess対応回線のほうが速い傾向が見られた。一部で非対応回線が上回る場面もあったが、全体的には混雑した場所での速度低下をしっかり抑えてくれていた。瞬間的な最高速度よりも、混雑時でも安定して使えることにこのサービスの価値があると言えるだろう。
追加料金なしで使え、一度適用されれば操作が不要なのでスマホに詳しくない人でも恩恵を受けられる。対象プランを契約していて、まだ申し込んでいない人や、5G SA非対応のSIMを使っている人は、この機会に設定を見直してみるとよいだろう。
通勤ラッシュやイベント会場などで「つながらない」と悩んでいる人にとって、FastAccessは心強い味方になってくれるはずだ。






































