松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップルが考える2020年のコンピュータ (3/4)

文●松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

2019年12月26日 10時00分

●Mac復権はパフォーマンス

 アップルはMac軽視の批判があった2016年以降、Mac全体のアップデートに取り組んでいます。2016年はMacBook Proシリーズを、バタフライキーボードとThunderbolt 3ポート、Touch Barを採用したラインへ刷新しました。

 バタフライキーボードは毎年改良が重ねられましたが、ついに2019年に登場した16インチMacBook Proでシザー方式のMagic Keyboardへと転換されました。その16インチモデルはグラフィックスの大幅な強化によって、モバイルでビデオ編集を行いたいユーザーを惹きつけました。

 2018年にはMacBook Airが刷新され、またMac miniが超小型ワークステーションといえるだけのパフォーマンスを備えるアップデートを受けるなど、低価格帯のMac製品も充実しました。

 問題となっていたハイパフォーマンスモデルは、2017年末にはiMac Proリリースから改革が始まりました。2年たっても最新のMac Proに次ぐパフォーマンスを維持した一体型モデルは、当時をふりかえればコストパフォーマンスに優れた製品だったと言えます。

 Mac Proは2019年についに刷新され、6K解像度でコントラスト比100万:1を実現するProDisplay XDRとともに、Macの最上位モデルが出揃いました。

 こうして2019年までの3年間をかけて、Macラインアップ全体を一通り刷新することになりました。MacBook Airを除いて、いずれの製品もパフォーマンスの高さを重視する構成へと移行しています。これは、iPadの存在感の高まりの中で、Macがどんなキャラクターを持って発展するか、を表しているようです。

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