●2020年のコンピュータ
アップルはiPadとMacを融合させない、という判断を、今後も貫いていくことになるでしょう。その理由は、どちらも売れるから。2019年、iPadもMacも比較的堅調だったのは、長く性能を保てて価格が安いiPadと、よりハイエンドのパフォーマンスを実現するMac、という共存戦略がうまくいったからでしょう。
販売台数はよりiPadが大きくなり、だからこそiPadOSをiOSから切り出したのだと思いますが、Macは単価が上昇していくことで、そのビジネスを維持できるようになっていくと考えているのではないでしょうか。引き続き2020年も、iPadとMacの対比が顕著になっていく施策が見られるのではないか、と期待しています。
その中で一つ注文をつけるとしたら、13インチMacBook Proです。個人的にはあまり嫌いではないバタフライキーボードですが、16インチモデルがMagic Keyboardへ移行したのは少しうらやましい。加えて排熱設計を見直し、より高いパフォーマンスに対応できるボディを手に入れた点は、13インチモデルにも取り入れるべきです。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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